デュラントとアービングが去ったネッツは6位を守れるか
レギュラーシーズンもいよいよ残り20試合を切る中で、トレードデッドラインとバイアウト市場による補強による明暗が分かれてきました。ここからプレーオフ進出が確定となる6位とプレーイン・トーナメントの4枠を巡って1試合の重みが増し、熾烈な争いが繰り広げられることになります。
東カンファレンスではバックス、セルティックス、セブンティシクサーズがトップ争いを繰り広げ、キャバリアーズがその後ろにつけている状況が続いていましたが、ニックスが8連勝で一気に追い上げてきました。限られた選手しか起用しないことで層の薄さが不安要素でしたが、複数のポジションをこなすジョシュ・ハートの獲得で試合運びに安定感が出て、5位以内でのフィニッシュが現実的になってきました。
一方でケビン・デュラントとカイリー・アービングを放出し、戦力が大きく入れ替わったネッツは勝率を落としています。上位チームとの対戦も多く残しており苦しい状況ですが、セルティックスに28点差を付けられながら大逆転勝利をおさめるなど、簡単に引き下がるチームではなく、7位ヒートとの間にある2.5ゲームのアドバンテージを生かして6位をキープしたいところです。
そのヒートはケビン・ラブを獲得しスターターに据えてから1勝4敗と苦しんでいます。リーグ26位のオフェンスレーティングを改善させることができず、逆にディフェンスを悪化させてしまいました。逆に8位のホークスはヘッドコーチのネイト・マクミランを解任してから3勝1敗とショック療法が効いています。新たにクイン・スナイダーを迎え入れたことで戦術面の改善が期待され、一気に勝率を上げる可能性を秘めています。
この3チームが6位争いを繰り広げることになりますが、ネッツが残り試合を5割で乗り切れば45勝まで届き、ヒートとホークスは7割近い勝率が必要となるため、逆転するのは簡単ではありません。ホームゲームを多く残していることもあり、ネッツがこのままプレーオフに進出する可能性が高そうです。それでもプレーイン・トーナメントを勝ち抜くのが難しそうにも見えるだけに、ネッツは意地でも6位の座を守る必要があります。
9位のラプターズはヤコブ・パートルの獲得で劇的に内容が改善しました。10位のウィザーズも八村塁の放出やブラッドリー・ビールの復帰によって戦い方が変わり調子を上げています。両チームともチーム状態が上向いており、特にラプターズは1月終了時点で6つの負け越しがあったことを考えると、上位陣をも飲み込みそうな勢いです。
11位のブルズはパトリック・ベバリーを獲得し、オールスターブレイク明けで連勝したものの、ラプターズやウィザーズに比べると改善したとは言えません。ただし、残り試合は勝率5割以下のチームとの対戦が7試合あり、比較的楽なスケジュールになっています。12位ペイサーズは来シーズンに向けたテストの色合いが強い選手起用をしており、13位マジックは好調ではあるものの10位まで4ゲーム差と挽回は難しい状況です。
ウィザーズは頻繁にケガ人を出してしまうチームだけに、ブルズにも逆転の可能性はありますが、やはり他力本願に見えてしまい、追い上げるためには補強も考えたいところです。フリーエージェント市場に残っている有力選手にはジョン・ウォールがいますが、元ウィザーズのオールスターが直接のライバルチームに加わることは考えにくいです。逆にウィザーズが最後の一手としてウォールを獲得するのかどうかも注目したいところです。