「僕は人生のすべてを捧げてこの仕事をしている」
デイミアン・リラードは現在のNBAで最も優れたスコアラーの一人で、50得点以上を15回記録しており、彼の大量得点はもはや驚きではない。しかし、71得点となれば話は別だ。現地2月26日のロケッツ戦、リラードは3ポイントシュート13本成功を含むフィールドゴール38本中22本成功、フリースローは14本すべてを決め、71得点6リバウンド6アシストでトレイルブレイザーズに勝利をもたらした。
NBAオールスターに出場した後、シーズン再開のキングス戦を欠場したリラードは休養十分。彼の得点力はすでに誰もが知るところだが、キャリアハイとなる71得点を取ったこの試合で特筆すべきは第3クォーター開始からの6分間だろう。前半だけでリラードに41得点を奪われたロケッツは、リラードがどの位置にいてもダブルチームを仕掛けた。この6分間はさすがに自由にプレーできず無得点。ただ、自分の得点は止まってもチームのオフェンスは止めなかった。ハーフコートライン近くまで相手ディフェンス2人を引き出してはパスをさばき、3つのアシストを記録してリードを広げていく。そしてロケッツがダブルチームを止めると、再び驚異的なペースで得点を生み出した。
「マティース(サイブル)が良いカットをしたのでダンクをアシストした。その次はワイドオープンだ。僕は相手を引き付けるだけで良かった。相手がディフェンスを元に戻したら、また僕が攻める。常に自分たちのアドバンテージがどこにあるのかを考えて活用した」とリラードは言う。
指揮官チャウンシー・ビラップスは「無理をせず、自然にチームプレーをしていた。私が何かを指示する必要は全くなかった。シュートタッチが最高な試合でああいったプレーを選択できる選手はそう多くない」とリラードのバスケIQを絶賛する。
そしてリラードは、試合に向けた気持ちの作り方をこう説明した。「いつも上手くいくわけじゃないし、いつも楽しいわけじゃない。でも、何が起きても前進し続ける気持ちを持ち、厳しい試合をイメージしておく。今日も『ロケッツが相手なら勝てる』とは絶対に思わない。相手がどこであろうと戦う準備は万全にしておく。そのメンタリティが勝利を呼び込むことになる」
「現実的に考えれば、誰もが優勝できるわけじゃない。でも優勝を目指すことの意味を軽く考えたくはない。それと同時に、自分の物語には力があると思う。ずっと過小評価され、でも負けずに努力してきた。今日のように大きな勝利を手に入れることもある。その瞬間その瞬間が僕を作っていくんだ。勝ち負けや好調と不調の間で育まれるチームメートとの絆は、優勝と同じぐらい価値があると思う」
「僕は人生のすべてを捧げてこの仕事をしている。そういった瞬間をたくさん積み重ねて、最後に優勝したいと思う」