潤沢な資金とドラフト指名権を活用し、今オフに大型補強を実行する可能性大。
レイカーズと並びNBA黄金期を作ったセルティックスは、今まさに再建の真っただ中にある。ヘッドコーチとして3年目のブラッド・スティーブンスは、采配初年度よりもレギュラーシーズンで23勝の上乗せに成功し、今シーズンはチームをプレーオフに導いた。ホークスとのプレーオフ1回戦で激闘の末に2勝4敗で敗退。ここでシーズンを終えたが、新チームの将来性は十分に証明できたと言える。
昨年のオフには目立った補強をすることなく、継続路線でチーム作りを進めたが、今オフには大型補強に乗り出す可能性が高い。来シーズンのサラリーキャップ額はまだ算出されていないが、今のセルティックスには大物フリーエージェントと契約を結べるだけの潤沢な資金がある。
さらには今年のドラフト1巡目指名権を2枠保持していることも大きい。この枠を交換条件にすることで、他チームの主力級を含むトレードを成立させることもできる。
ターゲットとなるのは弱点とされるフロントコート。フリーエージェントの選手では、サンダーのケビン・デュラントとロケッツのドワイト・ハワードの2人だ。デュラントは今シーズン限りで現行の契約が満了となる。またハワードは、今シーズン終了後、最終契約年となる来シーズンの契約を破棄してフリーエージェントになる項目が含まれており、市場に打って出る可能性が高い。
どちらが本命かと言われればデュラントだろう。ただし、今年の9月に28歳の誕生日を迎えるデュラントが希望するのは、優勝できる環境だ。
長年のパートナー、ラッセル・ウェストブルックとの強力コンビを解消してまで移籍を決断するとすれば、サンダーよりも優勝する可能性が高いと感じられる陣容を集められるチーム、ということになる。
一方のハワードだが、数年前までNBA最強ビッグマンと呼ばれた男も、近年はケガに苦しんでいる。相変わらずゴール周辺でしか脅威ではなく、ミッドレンジからのジャンプシュートという武器もなければ、フリースロー成功率も一向に改善されていない。今年はロケッツのロッカールームの雰囲気を悪化させた張本人との噂も出て、評価を下げている。
その点、デュラントを獲得できれば言うことなしだが、優勝可能な環境を整えるというのが難問だ。一部メディアでは、セルティックスがデュラントを納得させるには、ブルズのジミー・バトラーやホークスのアル・ホーフォードを獲得する必要がある、とも噂されている。
ハワード獲得を狙うにしても、デュラント獲得を実現させるにしても、ライバルは多い。だが、再建の基礎工事を終えて次のレベルを目指そうとするセルティックスにとっては、ここでどんな動きを取るのかが非常に重要となる。