ギャビン・エドワーズ

インサイド陣がリバウンドで流れを引き寄せる

2月15日、天皇杯セミファイナルの宇都宮ブレックスvs千葉ジェッツが行われ、千葉Jが77-65で勝利した。千葉Jのジョン・パトリックヘッドコーチが「前半はプラン通りのディフェンスができていた」と称賛したように、第2クォーターまで失点を23点に抑え込み、19本のオフェンスリバウンドを獲得。前半から大量リードを奪い、2年連続となるファイナル進出を決めた。

千葉Jは、最初のオフェンスでヴィック・ローが遠藤祐亮とのミスマッチを生かしてゴール下のシュートで先行すると、富樫勇樹がディープスリーを沈めてリードを拡大する。守っては、5人全員が簡単にボールを持たせないタフな守備を見せて開始5分で12-4のランに成功。宇都宮のエース、比江島慎はローと原修太が執拗にマークし、ゴール下で待ち受けるジョン・ムーニーやギャビン・エドワーズがドライブからのシュートをブロック。千葉Jが15-7とリードして最初のクォーターを終える。

第2クォーターに入っても千葉Jの勢いは止まらない。エドワーズが原とのピック&ポップで3ポイントシュートに成功すると、その後のオフェンスでは立て続けにリバウンドを奪い、ゴール下で交錯したグラント・ジェレットのアンスポーツマン・ライク・ファウルを誘発。獲得した2本のフリースローをきっちり沈めてリードを2桁に広げる。その後も千葉Jは、富樫のアリウープパスからのローの豪快なダンク、ムーニーのスティールからのファストブレイクなどで得点を奪い、20点リードで試合を折り返した。

大きく出遅れてしまった宇都宮は、第3クォーターだけで9得点を挙げたアイザック・フォトゥや、富樫とのミスマッチを突いた遠藤の連続得点で追いかける。タフなマークに遭いながらも前半に2本の3ポイントシュートを決めていた比江島も連続得点に成功。オールコートでのゾーンディフェンスも効果を発揮し、宇都宮がこのクォーターを27-21とリードして最終クォーターへ突入する。

リードを14点に縮められた千葉Jだったが、第4クォーター序盤に富樫の鋭いドライブからのレイアップで落ち着きを取り戻すと、トランジションを仕掛ける宇都宮に対して戻りの早いディフェンスで対応し、前半に見せていた攻守の安定感を取り戻す。また、パトリックヘッドコーチが「大事な時間にリバウンドを取って相手の流れを止めてくれた」と振り返ったように、エドワーズとムーニーのオフェンスリバウンドからセカンドチャンスポイントが生まれたのも大きかった。試合終盤、比江島とフォトゥに連続バスケット・カウントを許すなど宇都宮に追い上げられるも、最後は時間をじっくり使ったオフェンスを展開して逃げ切った。

要所で得点してチームハイの17得点を挙げた富樫は「2年連続でファイナルに行けたことはもちろんうれしいですし、しっかり優勝したいです。今シーズンは3冠を目標にやっていますので、その一つ目の天皇杯優勝をつかみ取りたいと思います」と、天皇杯のタイトル奪取に向けて意気込んだ。

敗れはしたもののゲームハイタイの20得点を挙げた比江島は「後半から相手にアジャストできるようになってリズムが良くなっていました。後半のバスケを前半にできていればという思いはありますが、この反省点をリーグ戦に生かしていきたいと思います」と、この先のリーグ戦を見据えた。