純粋なポイントガードとしての矜持、篠山竜青「クロスゲームの時こそ自分の仕事」

2018/12/02
日本代表
3994

篠山竜青

文=丸山素行 写真=鈴木栄一

「ハードにディフェンスをするのが一番の役目」

11月30日、カタール代表を85-47で破った男子日本代表は、ワールドカップアジア予選の戦績を5勝4敗とした。

富樫勇樹とともにポイントガードとして招集されている篠山竜青は、約20分のプレーで4得点5アシストを記録。リングへのアタックからアウトサイドシュートをお膳立てし、自ら選んだコールプレーで自分がフィニッシャーになるなど、オフェンス面では及第点と呼べる出来だったが、第3クォーターで3つ目のファウルをコールされ、トラベリングも数回コールされるなど、笛のアジャストに苦労した印象を受けた。

篠山本人も不完全燃焼だったことを認めた。「第3クォーターでファウルをして交代するより、監督の中で納得がいく形での交代のタイミングというのがあったと思います。イレギュラーを起こしてしまったというのはチームにとって良くない状況でした」

ただ、3つ目のファウルは不可抗力と言うべきファウルだった。篠山はバンプ(ボールを持っていないプレーヤーに対し身体を当てて進行方向をさえぎること)で相手ビッグマンのペイントエリアへの侵入を遅らせようとしたが、その行為がファウルとなった。「3つ目のファウルに関しても、バンプをしてインサイドで簡単にやらせたくないというところはありました。ハードにディフェンスをするのが一番の役目なので、ファウルを気にしすぎてサボってはいけないし、そこを整理してやっていかないといけない」

この試合、第2クォーター途中には富樫勇樹が足を負傷し、そのままコートに戻ることができなかった。富樫がカザフスタン戦で復帰できるかは分かっていないが、それゆえポイントガードを2人しか招集していない日本にとって、篠山には前回以上の働きが求められる。

それでも篠山に特別な気負いはない。「ケガ人が出ていようが出ていなかろうが、ゲームをコントロールしなきゃいけないことに変わりはないので。富樫がケガをしたから自分がもっと得点を取らないといけないとかはないです。ポイントガードの役割が大事なのはいつもと同じなので、何かを変えるのではなく、いつもやらなきゃいけないことを丁寧にやっていきます」

篠山竜青

「苦しい試合ほど、ポイントガードは必要です」

12月1日の時点で、指揮官のフリオ・ラマスは富樫のケガの状態について、「次の試合には間に合う」とコメントした。だが不安を抱えていることに変わりはなく、篠山に求められる部分はより大きくなる。それでも篠山は「富樫選手のコンディションがあるからファウルをしないで、ソフトに行くことは絶対にあってはいけない」と、守りに入らない考えを示した。

もちろんそれは、カタール戦で見事なゲームメークを見せた田中大貴や、これまでもボールハンドラーとしての高い能力を見せる比江島慎がいるからだ。「ある意味では大貴もできるし、比江島もできると思って、腹をくくってやることが重要」と篠山は言う。

田中や比江島が後ろに控えていることはチームとしては心強い。だが純粋なポイントガードにとって、本職でないプレーヤーにそのポジションを託すことはプライドが許さない部分もあるのではないか。篠山も「もちろんそれはあります」と訴える。

「苦しい試合になればなるほど、ポイントガードは必要です。昨日は第3クォーターで勝負がついたと言ってもいいような試合でした。クロスゲームになればなるほど、ポイントガードの役目はあると思うし、そういう時こそ自分の仕事だと思わないといけない」

日本がカタールに勝利した後、カザフスタンは格上のフィリピンを4点差で撃破し、戦績を4勝5敗とした。もし日本が明日のカザフスタン戦を落とせば、戦績で5勝5敗のタイに並ぶことになる。それゆえラマスコーチも「ここにすべてを懸けてくる」と警戒を強めている。

カタール戦は第3クォーターで試合の趨勢が決まり、接戦にはならなかった。だが、勢いに乗るカザフスタン戦は一筋縄ではいかないだろう。篠山が言うように、クロスゲームになればなるほど、ポイントガードのゲームコントロール力がモノを言う。「任せてください」という篠山の双肩に日本の未来はかかっている。