八村塁

キャリアハイに並ぶ30得点でマジック戦の勝利の立役者に

トレードの噂が浮上している八村塁が、コート上で自分の価値をあらためて示した。現地1月21日のマジックとの試合、30分のプレータイムを得て30得点5リバウンド2ブロックと大活躍。コートに立っていた時間帯の得失点差も+20と両チームを通じて最も良い数字で、138-118の快勝の立役者となった。

八村は第1クォーターこそ無得点だったが、第2クォーターに10得点を記録。トランジションで相手のマークが外れたチャンスにキャッチ&シュートを決めると、その直後のオフェンスでも左コーナーでのワイドオープンを沈め、2本連続で3ポイントシュートを成功させた。続いては3ポイントシュートを警戒する相手ディフェンスの逆を突いてドライブを仕掛け、ゴール下でブロックを狙う相手をダブルクラッチでかわすレイアップを沈めた。

最初の3つの得点はすべてデロン・ライトのアシストによるもの。良いポジションを取っている八村を見逃さなかったライトと、決めきった八村の連携が光るプレーだった。ここから八村は勢いに乗り、第3クォーター途中にクリスタプス・ポルジンギスが足首を痛めてプレー続行を断念したのだが、そのアクシデントを感じさせないパフォーマンスを見せた。

試合後のコートインタビューで八村は「キャリアハイ更新には1点足りなかったけど、素晴らしい勝利でした。みんなでボールをシェアできた。それができればオフェンスは上手くいく」と語っている。

ヘッドコーチのウェス・アンセルドJr.は八村について「シュートが決まったことで波に乗った。3ポイントシュートが決まって相手が警戒するようになるとミッドレンジのプルアップに切り替えてバランスの良い攻めができた。積極的なプレーが良かったと思う」と評価している。

第4クォーター残り2分14秒で指揮官は八村をベンチに下げた。すでに勝利は確実だったが、もう少し長く続いていればキャリアハイ更新は難しくなかったはずだ。ただ、アンセルドJr.は「これ以上ケガ人は出したくなかった」と説明している。

それでも八村の素晴らしいパフォーマンスは、ウィザーズとアンセルドJr.に向けたものではなかったのかもしれない。『ESPN』によれば八村は、試合後にトレードの噂について質問されると「バスケットボール選手としての僕を必要としてくれるところに行きたい。僕のプレーを気に入ってくれるところに行きたい。それが僕のゴールだ」と回答。それがウィザーズかと念押しされると「分からない」と答えたそうだ。

「僕は自分のバスケをしなければいけない。自分に何ができるかは分かっています。ここであろうと他のチームであろうと、僕はチームに貢献できます」

トレードを要求しているか、との問いには回答しなかったが、八村はすでに意思を固めているようだ。