ステフィン・カリー

「個人的にもチームとしても向上の余地はまだある」

ウォリアーズのステフィン・カリーが約4週間ぶりにコートに戻って来た。肩のケガは長引く可能性もあったが、カリー自身が「僕がこの箇所をケガするのは初めてで、治りは早いと聞いている。そうなることを願いたい」と語った言葉の通り、手術を回避して予定より早い復帰となった。

チームはサンズに敗れて3連敗で、20勝21敗と再び借金生活に入った。ただカリーの出来はと言えば、フィールドゴール22本中8本成功、3ポイントシュートは15本中5本成功の24得点というスタッツは彼にとっては平凡かもしれないが、コート上にカリーがいるという存在感はやはり抜群で、それは第4クォーターに見られた。

第3クォーターまででカリーの得点は8だったが、最終クォーターでは16得点を記録。13得点を挙げたジョーダン・プールとともに、相手ディフェンスとすればどちらを警戒すべきか的を絞れない、優勝した昨シーズンのリズムを束の間ではあるが取り戻した。カリーに限らず今シーズンは開幕からケガ人が多く、チームとしてコンディションが整わなかったが、ようやく戦える状態になった感がある。

第3クォーター途中には最大27点のビハインドを背負ったが、指揮官スティーブ・カーはカリーを含めた主力をプレーさせ続けた。それは良い感触を取り戻すためでもあり、カー曰く「タイトルを取るには試合にどれだけ注力すべきかを思い出す、つまり目を覚まさせる必要があった」ためでもある。

カリーは「4週間のブランクがあって、試合のスピードに乗れたり乗れなかったりした。第1クォーターはチームメートと同じペースで走り、試合のエネルギーを感じられて良かったんだけど、第2クォーターと第3クォーターは少しペースが落ちてしまった」と復帰戦を振り返る。

「でも、試合が進むにつれて身体が動くようになったし、気持ちも乗ってきた。願わくばこれからの遠征で全員が一緒になって、チームを正しい方向へと向けたい。できるだけ早く自分のリズムを取り戻さなきゃいけないプレッシャーが多少はあるけど、今日の第4クォーターで良い感覚はつかめたし、これが次の試合へと繋げられると思う」

ケガをした左肩から手首には、今まで着けたことのないスリーブを着用している。カリーは「これまでやってきたシュートの感覚があるから右腕には何も着けたくないんだけど、左肩は保護して温めるためにスリーブを試している」とこれを説明し、「どんなケガかに限らず、試合中は気にしないようにしている。今日も全く気にならなかった」と、ケガの影響がないことを強調した。

そしてカリーは、自分が復帰した今からチームを上向かせなければならないと感じている。今シーズンのウォリアーズはホームで17勝5敗と結果を出しているが、敵地では3勝16敗と全く強さを発揮できない。このサンズ戦は『試運転』で、中2日の休養を挟んで5試合連続で敵地で戦う長期遠征がスタートする。これを克服しない限りチームは上向かないことをカリーは理解している。

「勝つためには何が必要なのか、それを細かい部分まで思い出し、必要なレベルに自分たちを合わせなければならない。集中力、一体感、タフネス、バスケIQといったものを今日の試合では出せたと思う。それらの要素をすべて組み合わせるんだ。今日足りなかったのはディフェンスでありリバウンドであり、オフェンスではボールを動かすという点で良い兆候を見せることはできた」

「僕らはようやくフルメンバーが揃おうとしている。そして自分たちの流れを取り戻すために何をすればいいかは理解している。良いバスケができた時期があったけど、そこから少し遠ざかってしまったからね。個人的にもチームとしても向上の余地はまだある。そうすることで必要なレベルに近付けるはずだ。そのためにはまだ41試合あるよ」