「あと一人カットの時に僕はカットされました」
バスケットボール日本代表は昨日、今週末のワールドカップ予選の開催地である富山へと移動した。ベンドラメ礼生はこのメンバーに入った。先週の代表合宿が公開された時点で、彼は「前回のカザフスタン戦の時は、韓国からカザフスタンに入る時に13人いて、あと1人カットの時に僕はカットされました」と、AKATSUKI FIVEへの強い思いを語っている。
自分の適性と将来を見据え1番(ポイントガード)に専念したいベンドラメだが、チーム事情から、所属するサンロッカーズ渋谷では2番(シューティングガード)として起用されることも多い。そのため以前から「自分の目指すところとチームが必要としてるところ、その中でやることが変わってくると、自分の中でもちろん葛藤はあります」と漏らしていた。
だが日本を指揮するフリオ・ラマスヘッドコーチからは「2番をやっているレオは評価しない」と言われ、逆に1番に専念してプレーできる環境が整っている。また8人での戦いを強いられたアジア競技大会では、ラマスコーチのアシスタントを務めるエルマン・マンドーレの下で1番として起用され、国際大会でポイントガードを務める経験ができた。
「期待も込めてというのもあるかもしれないですが、夏の間エルマンコーチの下で1番をやってきたというのもあります。1番としてこの合宿で力を発揮できていると思います」
「国際試合は一つのミスで負けることもあります」
現在の代表のポイントガードは富樫勇樹と篠山竜青が定着しつつあり、「篠山さんだったらゲームメークができて、富樫だったら得点とスピードがあります。2人より劣っているものがある」とライバルと自分を比較する。「自分は大きなところでのミスが多く、そこが劣っている部分です。積極的に攻めつつもミスをなくすことが重要です。国際試合は一つのミスで負けることもありますし、安定した試合運びを求められます」
ネガティブな面を強調したベンドラメだが、それは一方でゲームメークと得点力のバランスに自信があることを示してもいる。またサイズアップを図っている面も183cmと富樫、篠山より大きいベンドラメには後押しとなる。
「身長をアドバンテージにしないといけない。ガードも点数を取ることを求められますし、ディフェンスでも身長があるのでプレッシャーを掛けられます。外から点数が取れることとディフェンスを頑張れることが重要だと思います」
「定着して活躍するまでは危機感を持って」
指揮官から求められていることを理解し、競争相手との違いを深いレベルで理解していることは代表生き残りに不可欠な要素だ。だからこそ強みを伸ばすのか、弱点を克服するのかの選択も自分でできる。そして前回13人まで残った経験があるからこそ、現状に満足することはない。
「24人に入ることは当たり前だし、12人に入らないと意味はないです。定着して活躍するまでは危機感を持ってやっていきます」
誰よりも悔しい思いをしたベンドラメの笑顔は見れるのか。エントリーメンバーが発表されるその日までしばし待ちたい。