川井田風寧

「脚力には自信があります」と、持ち味を生かし福岡大若葉に走り勝っての快勝

12月25日、ウインターカップは女子のベスト16が行われ、千葉経済大附属が福岡大学附属若葉に80-66で勝利し、初の8強入りを決めた。

第1クォーターは千葉経済が14-10とリードしたが、ともに相手ディフェンスを崩せずにロースコアの出だしとなる。しかし、第2クォーターに入ると5スティールを奪うなど千葉経済が得意の強度の高いディフェンスから走る展開に持ち込み、このクォーター開始から12-0のランを決めて一気に突き放し、17点リードで試合を折り返した。

ただ、後半に入ると福岡大若葉の前から当たってくる守備のプレッシャーに苦しみ第3クォーターだけで9ターンオーバーを喫して反撃を許してしまう。第4クォーター序盤には10点差まで詰められたが、脚力が落ちてきた相手に対して、千葉経済はリバウンドからの走る展開に持ち込むと、フィールドゴール16本中12本成功が示すように次々とゴール下でのイージーシュートを決めていき、第4クォーター残り4分半には69-47と再び突き放して逃げ切った。

試合の要所で効果的な外角シュートを沈め16得点を挙げた千葉経済の川井田風寧は、勝因をこう語る。「先手必勝で入りから自分たちの流れに持っていき、そこからどんどん押していくことができました。途中で追い上げられても自分たちのペースで最後まで勝ち切ることができたと思います」

千葉経済は今年のU18日清食品関東ブロックリーグで7戦全勝し、全試合で18点以上の大差で勝利する圧倒的な強さを見せた。そしてウインターカップ予選で千葉の絶対女王だった昭和学院を撃破した勢いを、今大会でも遺憾なく発揮している。川井田は「公式戦を重ねていくうちに、辛い場面があったとしても乗り切る力をつけることはできたと思います」と、結果を残し続けたことで得られた成果を語る。

川井田風寧

4強への意気込み「大事な場面でシュートを決めきることを意識して頑張りたい」

千葉経済の池端直樹コーチも、ここまで積み上げてきたものに手応えを感じている。「インターハイ後、秋口からやってきたことが間違っていなかったと実感しています。自分たちのプレーを1試合通してやりきって最終的に勝つ。明日もそういう自分たちらしいゲームをやりたいです」

千葉経済らしいゲームとは、この試合でも最大の勝因となった1試合を通して落ちない運動量を生かしたディフェンスから走る展開に持ち込み、スピードで相手を上回りゴール下で得点を重ねていくことだ。その意図を池端コーチは「イージーシュートに結びつけたいからディフェンスを頑張る。ディフェンスから攻めを繰り返すサイクルでやっています」と言う。

川井田も「日々走りこんでいるので、そこまで疲労はないです。脚力には自信はあります」と自分たちの武器に自信を見せる。そして、千葉経済にとっては初のベスト8進出だが、「ベスト8はうれしいですが、自分たちが目指しているのはベスト4なので、まだ喜んでいる暇はないです」と、あくまで冷静だ。

目標である4強入りをかけた明日の大一番の相手は札幌山の手だ。世代屈指のスコアラーである森岡ほのかを中心とした相手オフェンスを、持ち味のディフェンスでいかに食い止められるかが明暗を分ける大きな鍵となる。その上で「自分はスコアラーとして点数を取ることも仕事なので、大事な場面でシュートを決めきることを意識して頑張りたいです」と語る川井田が、有言実行で得点を重ねていくことができれば自然と結果はついてくる。