ライアン・ロシター

ゲームハイの9アシストで7連勝に貢献、指揮官も「チームの要となる選手」と評価

12月18日、アルバルク東京と富山グラウジーズの第2戦が行われた。試合はA東京が第1クォーターにリードするも、富山の堅いゾーンディフェンスに苦戦を強いられる展開に。第4クォーター終盤に同点に追いつかれたが、インサイド陣が落ち着いて得点し続け、78-74で接戦をモノにした。

富山のディフェンスに苦しんだA東京だったが、ゲームハイとなる9アシストをマークしたライアン・ロシターはアレックス・カークやセバスチャン・サイズとの合わせや、安藤周人らシューター陣へのキックアウトなど、チームのボールムーブをより大きく、より速くさせて得点の機会を演出した。オフェンスの起点となったロシターについて、A東京指揮官のデイニアス・アドマイティスは次のように評価している。「今日の試合に限らずライアンはいつも状況判断が素晴らしい選手です。彼の長所はチームを生かせるところで、今日は9アシストを記録してくれました。また、トリプル・ダブルを常に狙えており、チームの要となる選手になっています」

この試合の9アシストも計上し、ロシターの平均4.0アシストはチーム最多の数となった。ポイントガードはコート上の指揮官とよく言われ、スコアリングガードのジャスティン・コブスは平均3.6アシストを記録している。ガードではないロシターがアシストを量産できているのは、正確な状況判断ができているからに尽きる。ロシターもこの日のプレーについてこのように振り返る。

「相手がゾーンディフェンスをやっていて、ウチがピック&ロールを仕掛ける際は、自分が起点として状況判断しました。ゴール下にはアレックスとセバスがいますし、そこにボールが渡らなければアウトサイドを見てボールをシェアすることができています。この繰り返しで結果的に9アシストに繋がりました」

「一枚岩となって戦えるようにチームを一つにするのが自分の役割」

A東京は今回の勝利で今シーズン初の7連勝を達成するなど好調を維持している。しかし、初戦に勝利するも、開幕から3節続けて第2戦を落とし同一カード連勝を逃すなど、シーズン序盤は苦戦を強いられた。それでも、バイウィーク直前の宇都宮ブレックス戦から連勝できるようになり、接戦のゲームでもしっかりと勝ち切る力を手に入れた。

「特にディフェンスの安定感が出ていて、チーム全員がそれを感じ取っていると思います。ギアが上がった感じで、非常に評価しています」とアドマイティスヘッドコーチはチームを称えており、ロシターも「前半にいくつかの試合を落とした経験から、同じことを繰り返さないためにも常に向上心を持って練習から一つひとつのレベルを上げていくことを心がけています」と意識の変化を語った。

また、東地区首位を走る千葉ジェッツとの上位戦線を勝ち抜くためにも、ロシターは次のことが大切だと言う。「今後もこのディフェンスを継続し、リバウンドを多く取って、オフェンスではチームメートを生かしたい。そして、大事なことはチームの一体感です。一枚岩となって戦うことができるように、チームを一つにすることが自分の役割です」

今週末から再び、水曜ゲームが開催されるタフなスケジュールが続き、A東京は今年最後の水曜ゲームとなる28日に宇都宮と、31日と1月1日には琉球ゴールデンキングスという、強豪チームとの対戦が控えている。試合で最高のパフォーマンスを出すには心と身体、両方の充実が必要だ。ロシターは言う。「しっかり身体とメンタルを休ませて、ケガのないように乗り越えていきます。コンディションを調整しながら、チームが上向きになるように頑張っていきたいです」