ケビン・デュラント

右ハムストリングを痛めて欠場中の渡邊雄太は明日に復帰予定

ホークスと対戦したネッツは、クラッチタイムにケビン・デュラントとカイリー・アービングが最高のプレーを連発して120-116で勝利を収めた。

残り4分を切ってトレイ・ヤングの得点でホークスに逆転を許したが、ここからデュラントが3ポイントシュートにドライブからのダンクとギアを上げ、カイリーも相手ディフェンスのギャップを突くミドルジャンパーを沈めて得点を繋ぐ。ネッツにはこの2人の個人プレーに依存しすぎる悪癖があるが、この試合ではチームでボールをシェアし、ディフェンスを揺さぶってからデュラントとカイリーにフィニッシュを託すチームオフェンスが機能した。ヤングも33得点と好調だったが、個人ではなくチームでネッツが上回った形だ。

試合後、デュラントは自分の得点より先に、チームメートのリバウンドについて語った。「第4クォーターにカイリーとロイス(オニール)がオフェンスリバウンドを何本も取った。ウチは小さなチームだから、普通じゃあり得ない。でも彼らはチームのためにあそこに鼻を突っ込んでリバウンドを取ってきて、ポゼッションを増やしてくれた。チームのために全員が働いた結果、勝利をモノにしたんだ」

もう一つ、デュラントが誇るのはアシスト数だ。フィールドゴール45本成功のうち、30本にアシストが付いた。トップはベン・シモンズの7で、プレーメークも担うオニールが5。出番の少なかったディロン・シャープを除いて、コートに立った8人全員が2本以上のアシストを記録している。フィニッシュ役はデュラントとカイリーが担うが、クラッチタイムにもジョー・ハリスがベースラインを突いてレイアップを決め、セス・カリーも勝利を決定付けるフリースローを決めており、スター選手の脇を固める選手もしっかりと結果を出している。

「20台後半から30アシストを記録するのが今の僕らのゲームだと思う。これからもボールを動かして、チームでシュートチャンスを作り出すつもりだ」とデュラントは誇らしげに語った。

ジョー・ハリスは「僕らにはカイリーとケビンがいるから、オフェンスは大丈夫なんだ。大事なのはチームで守るディフェンスだよ」と言う。「相手のビッグラインナップに対して、小さな僕らはハンドラーにプレッシャーをかけて思うようにプレーさせない。そしてスイッチを多用しながら、お互いに共通認識を持って守る。今日はチームディフェンスが上手くいったと思う」

この試合では復帰4試合目のTJ・ウォーレンが21分の出場で14得点とスタッツを伸ばしてきた。長期欠場明けであることを考えれば、どんな想定よりも順調にかつての姿を取り戻しつつある。右ハムストリングを痛めて欠場が続いている渡邊雄太も復帰が近く、ヘッドコーチのジャック・ボーンによれば明日(現地10日)、バック・トゥ・バックの2戦目となるペイサーズ戦での復帰が予想される。

開幕から2勝5敗と低調なスタートを切り、指揮官のスティーブ・ナッシュがチームを去ったが、ネッツはここから持ち直し、今では15勝12敗で東カンファレンス4位と順位を上げてきた。ケガ人が戻り、同じメンバーでコンスタントに戦えるようになってケミストリーが良くなり、デュラントとカイリーも孤軍奮闘ではなくチームバスケの中で良いパフォーマンスができている。ネッツの理想とするバスケはようやく形になりそうだ。