デビン・ブッカー

「このチームの一員になれたことを本当に誇らしく思う」

11月30日のブルズ戦、デビン・ブッカーはフィールドゴール25本中20本成功の51得点で、サンズを132-113の快勝へと導いた。

第1クォーターに9得点、第2クォーターに16得点、第3クォーターに26得点を記録。サンズの選手が1クォーターに25得点以上を挙げたのは記録が残っている過去25年間で6回しかなく、そのうちの4回をブッカーが記録している。そして第4クォーターに彼はコートに立っていない。クリス・ポールのケガが長引き、ブッカーの平均プレータイムが37分と伸びている状況で、キャリアハイの70得点を更新するチャンスがあったとしても、指揮官モンティ・ウィリアムズは休養を優先した。

「勝ってるんだからOKさ」とブッカーは言う。かつて彼が70得点を記録したのはキャリア2年目の2016-17シーズンのこと。セルティックス相手に70得点は奪ったが、試合には敗れている。当時は自分の力をアピールするのに必死だったが、キャリア8年目の今はチームの勝利を優先できる。

「今はすごく気分が良いけど、それは試合に勝ったからこそだよ。以前はチームの置かれた状況が異なり、今とは別のバスケをやっていた。当時は再建段階で若手ばかりだったけど、今はベテランもいれば、これから出てくる選手もいる。選手層に厚みがあって、一緒にプレーするのがとても楽しいチームなんだ」

「それに僕は、シュートを決めたいと思うけど得点の記録を狙っているわけじゃない。試合の流れの中で自分に来たチャンスをちゃんと決めて、その活躍でチームが勝ち続けるのが一番良いんだ」

第3クォーター残り2分13秒、ブッカーがアレックス・カルーソのファウルを受けながら3ポイントシュートを沈める4点プレーを決めた時には、スタンドからMVPコールが起きた。この時点で95-75と20点差、早々に勝利を確信したファンからの称賛の声を、ブッカーは気持ち良さそうに聞いていた。

「西カンファレンスで最下位だった頃もMVPコールをされたことはある。みんな僕に無条件の愛情を示してくれる。サンズのファンのみんなのおかげで、僕はこのチームの一員になれたことを本当に誇らしく思う。愛すべき状況だよね」

サンズがドアマットチームだった頃のスタンドは閑散としていた。だが今は連日の大盛況で、この試合も1万7000人が入ってのソールドアウト。「そう、それが一番なんだよ」とブッカーは言う。「何試合連続でチケット完売なのか分からないけど、すごいことさ。月曜でも火曜でも土曜でも関係なく、みんなここに集まってくれる。本当に楽しいよ。今シーズンのホームゲームでこれだけの成績を収められているのはそのおかげだ。このまま続けていきたいね」

サンズは今シーズンここまでホームゲームで12勝1敗、リーグトップの成績を誇る。チームは優勝争いを演じるようになり、試合会場も盛り上がっている。クリス・ポールが不在で、トレード要求のジェイ・クラウダーがプレーしていないにもかかわらず、今のサンズには隙がない。