「フリースローのミスが多すぎた」とジョーク
ジョエル・エンビードは11月13日のジャズ戦で59得点11リバウンド8アシスト7ブロックという驚異的なスタッツを記録した。
今シーズン開幕からエンビードは思うように調子が上がらず、最初の6試合で平均27.2得点、9.5リバウンドとスタッツは残しながらも、勝負どころで結果を出せずにチームは2勝4敗と低調なスタートを切っていた。11月に入ると新型コロナウイルスではない体調不良で1週間の休養を取ったが、ここで無理をせずコンディションを整えたのは正解だった。
復帰後の4試合、エンビードは40.0得点、11.0リバウンドとスタッツが劇的に向上し、チームも3勝1敗と浮上。ジャズ戦の勝利で7勝7敗と勝率を5割に戻した。
ジャズ戦でのエンビードは出だしから絶好調で、機動力はあるがパワーを欠く自分のマークを強引に押し切り、軽やかなステップや打点の高いジャンプシュートなど様々なアプローチで得点を重ねていく。ケリー・オリニクやジャレッド・バンダービルトはエンビードのシュートタッチを狂わせようと食らい付いたが、エンビードは冷静な判断でパスをさばいたり、巧みにファウルを誘ってのフリースローでも得点を重ねていった。
バック・トゥ・バックの2試合目で、前日はホークス相手に40分プレーしていたが、それもエンビードには関係ない。終盤もエネルギーを落とすことなく、残り1分20秒でコリン・セクストンに一度はドライブでかわされながらも背後からブロックショットに成功。さすがにこの時は膝に手を置いて疲れた様子を見せたが、59得点のどのシーンよりも観客が沸いたシーンだった。最後はラウリ・マルカネンの上から放つジャンプシュートを決めて勝利を決定付けている。
3ポイントシュートは5本中1本しか決まらなかったが、2点シュートは23本中18本と高確率で決め、フリースローは24本を奪って20本を決めた。まさにアンストッパブルなパフォーマンスだったが、試合後のエンビードは「フリースローのミスが多すぎた」と笑顔で語り、「チームメートが調子の良い僕にボールを預けてくれたおかげだ」と続けた。
ジェームズ・ハーデンがケガで欠場している状況で、エンビードのこの絶好調ぶりは頼もしい限り。シクサーズは立ち上がりこそつまずいたが、エンビードに強力に牽引されて立ち直ったようだ。