個人に依存するキャブスの攻め、アシストわずか12と停滞
14勝5敗のクリッパーズと13勝3敗のキャバリアーズ、東西の強豪同士が対戦した。
立ち上がり、素早いトランジションからのランニングプレーや、ダブルチームを攻略してマークを外し得点を重ねたキャブズが先行する。しかし、ケビン・ラブとチャニング・フライが2ファウルを犯しリズムに乗れなかった。
第2クォーターに入ると、クリッパーズが盛り返す。忠実にセットオフェンスを遂行するクリッパーズは、攻守の切替を第1クォーターよりも早めて、キャブスのディフェンスが整う前にアーリーオフェンスを展開し得点を重ねた。またデアンドレ・ジョーダンがリバウンドで力を見せ、ポゼッションをクリッパーズに何度ももたらした。前半だけで21得点を挙げたJJ・レディックの活躍もあり、クリッパーズが58-50と逆転し前半を終えた。
後半もクリッパーズのペースが続く。強烈なチェックでスティールを連発、ルーズボールへの反応もキャブズを上回り、第3クォーター最初の2分間で8-0のランを決めた。その後も相手のターンオーバーを次々と誘い、ブレイク・グリフィンのオフェンスリバウンドで得たポゼッションでクリス・ポールが3ポイントシュートを沈める。
クリッパーズのチェック、ヘルプディフェンスの速さを攻略できないキャブズは、ラブやカイリー・アービングの個人技で得点するも、単発でしかなく流れにならない。頼みの綱のレブロン・ジェームズもタイトなディフェンスに苦しめられ、後半はわずか3得点に終わる。またフラストレーションが溜まり、故意に相手の顔を押してテクニカルファウルを取られるなど、王者の威厳はそこにはなかった。
85-65でスタートした最終クォーター、両チームともセカンドユニットでの戦いとなったが、5分を経過して20点差のままの状況となり、キャブズは早々に白旗を上げた。ホームでの試合ということも考慮すると、あまりにも不甲斐ないパフォーマンスだったと言わざるを得ない。
クリッパーズはレディックがチームハイの23得点を記録。ポールが16得点9アシスト、グリフィンが13得点11アシスト、ジョーダンが9得点15リバウンド(8オフェンスリバウンド)とそれぞれの役割を全うし、勝利を収めた。
敗れたキャブズはアービングがゲームハイの28得点を記録。ラブとレブロンがそれぞれ16得点を挙げるも、このビッグ3で12ターンオーバーを犯すなど精彩を欠いていた。またトリスタン・トンプソンは3得点8リバウンドとジョーダンの前に存在感を示せなかった。第1クォーターで6アシストを記録した後、第3クォーター終了時までに2アシストしか増えなかったことが、個人技に依存するキャブズのオフェンスの停滞を物語る。キャブズのアシストが12に留まった一方で、クリッパーズのアシストは33まで伸びた。
西カンファレンスでは1位のウォリアーズがロケッツに敗れて3敗目。スパーズとクリッパーズが首位に肉薄している。東カンファレンスは1位のキャブズが敗れ、2位ラプターズとのゲーム差が1.5となった。シーズン中盤に差し掛かったNBAは拮抗した展開を見せている。