マイルズ・ターナー

バディ・ヒールドが自分のユニフォームを着せて参加させる

ペイサーズは10月9日にファンを無料招待するイベントを実施した。本拠地ゲインブリッジ・フィールドハウスは3億6000万ドル(約500億円)をかけた改修工事が終わり、ファンにとってはもちろん、選手たちにとっても初めて足を踏み入れる機会となった。

最新のアリーナではあるが、そこで行われたのは至極アットホームなファンイベントだ。先着5000人のファンはペイサーズのTシャツにホッドドックとドリンクをプレゼントされ、紅白戦に3ポイントシュートコンテストといったイベントを楽しんだ。

最も盛り上がったのは、選手たちが2チームに分かれて戦う紅白戦で、ファンイベントらしく選手たちが笑いながらダンクを決めたり、すさまじいスキルをファンに披露した。一つひとつのプレーにファンは大いに盛り上がり、選手たちは歓声に後押しされてさらに良いプレーを見せる。ヘッドコーチのリック・カーライルは「観客の声援と大騒ぎする様子は素晴らしかった。いつも盛り上げてくれてありがたい」と感謝を語っている。

ステップバックからの3ポイントシュートやウインドミルダンクで観客を沸かせたドラフト1巡目6位指名のルーキー、ベネディクト・マサリンがこの試合の主役かと思われたが、それ以上の盛り上がりを作ったのはジャクソン君という少年だった。コートサイドに座っていた彼は、試合中に自分の目の前を通りがかったバディ・ヒールドに「僕もプレーしていい?」と声を掛けた。ヒールドは「もちろん」と答え、自分の24番のユニフォームを彼に着せて、コートへと呼び込んだ。

ボールを受け取ったジャクソン君は、TJ・マッコネルとマサリンを軽快なスラロームドリブルでかわすと、ジェイレン・スミスとのパス&ゴーから見事なシュートを決めた。マイルズ・ターナーは試合後に「すごい選手が現れたね」と大笑い。「みんな最高に興奮していた。これがファンイベントの醍醐味だ」と語った。

最後はそのターナーがMCを務める、ルーキーによる仮装カラオケショー。ケンダル・ブラウンは『ハットしてキャット』の衣装で、アンドリュー・ネブハートはバズ・ライトイヤーで、そしてマサリンは『Mr.インクレディブル』に登場するフロゾンで登場。照れながらも熱唱してみせた。

イベントを終えたターナーは「僕らも最高に楽しかったよ。新しいゲインブリッジ・フィールドハウスの雰囲気を味わえたのも良かった。これからシーズンが始まると実感できた」とコメントしている。

残念ながら現時点でペイサーズの評価は低い。昨シーズンは良いところなく25勝57敗で2年連続でプレーオフを逃し、今オフも目立った補強はない。新アリーナでは新型コロナウイルスの影響で延期になった2024年のNBAオールスターが行われる予定。それまでにペイサーズとして大きな波を作りたいところだ。