ホークス

爆発力が低下したため、若手が結果を残すことも重要に

トレードでデジョンテ・マレーを獲得し、トレイ・ヤングとの強力なバックコートコンビを結成したホークスは、『今度こそ』トップチームへとステップアップするシーズンを迎えます。2020-21シーズンにカンファレンスファイナルへと進みながら、東カンファレンス9位と低調だった昨シーズンのような失敗をするわけにはいきません。

昨シーズン前半のホークスは、シュートを決めて喜んでいる間にカウンターを食らってしまうような脇の甘いチームであり、改善したはずのディフェンスへの厳しさが足りず、不安定な若手チームへと戻ってしまいました。プレーオフに黄色信号が灯ったシーズン後半は集中力を増して勝率は上がったものの、ヤングのオフェンス力でねじ伏せる戦い方であり、最後までディフェンスは修正されませんでした。

安定感を手に入れるための補強ポイントとして『ディフェンスの強化』と『ヤングの負担を減らすハンドラー』が挙げられますが、その両方に適したマレーだけでなく、ベテランのジャスティン・ホリデー、ドラフトでAJ・グリフィンとウイングを補強しました。昨シーズンに13回のトリプル・ダブルを記録したマレーはもちろん、総合力の高い選手を求めた形になっており、特定の武器を持つ選手よりも攻守両面でマルチな活躍ができる選手が増えました。

爆発力のあるヤングとジョン・コリンズの周囲を、安定感があり様々な仕事で貢献する選手で固めたと考えれば、上手い布陣になったと言えます。その一方でケビン・ハーターやダニーロ・ガリナリを放出したことで、爆発力が低下したことも間違いありません。従来のような戦い方では勝率を伸ばすのは難しく、戦略そのものを見直すことが求められそうです。

キープレーヤーになるのは、グリフィン、ジェイレン・ジョンソン、オニエカ・オコング、そしてディアンドレ・ハンターらの若手です。ホークスが勝てるチームになったのは、ヤングのサラリーが安い間にベテランを補強した事でしたが、新シーズンからはマックス契約となり、その分だけベテランを減らすことになりました。マレーのサラリーが抑えられている事でバランスは取っているものの、ベンチから出てくるのが若手ばかりになるため、彼らが結果を残せないと再び不安定な戦い方に戻ってしまいます。

マレーの獲得のために勝負を賭け、多くのドラフト指名権を放出しているホークスにとってマレーの活躍はもちろん、若手たちが結果を出すことも重要です。東カンファレンスのトップチームへとステップアップできるのか、失敗は許されないシーズンとなります。