長距離砲を筆頭に攻守でインパクトを与えるも、反省の言葉が先に出る
女子ワールドカップ2022が9月22日に開幕し、バスケ日本代表は初戦でマリ相手に89-56 と危なげない勝利を収めた。この試合、日本は激しいプレッシャーをかけ続け相手のフィールドゴールを78本中20本成功(成功率25.6%)に封じ込めると、攻めては3ポイントシュート37本中16本成功(成功43.7%)をマーク。攻守ともに日本らしい戦いで好スタートを切っている。
マリはフィジカルの強さに定評のあるチームで、日本は序盤こそ苦戦したが徐々にアジャストしていき、第2クォーター以降は地力の差を見せつけた。そして、3ポイントシュート4本中4本成功を含む14得点に加え、持ち前の激しいディフェンスを見せた東藤なな子は堅守速攻からの3ポイントシュート爆発と、個人としても日本の目指すプレーを体現して勝利に大きく貢献した。
「最初はリバウンドを取れずにいて、マリのペースに持ち込まれそうなところがありましたが、全員でカムバックしてリバウンドを取ったこと。個人的にはペイントアタックが少ないと感じていて、そこで切り替えてアタックからのプレーでパスをして、シュートチャンスを作れたのが良かったかなと思います」
このように試合を総括した東藤は、自身の先発起用について次のことを意識していたと振り返る。「スタートで出ると最初は相手がどんなことをしてくるかと読み合いになると思いますが、そうではなく積極的にプレーしようと思って臨みました。ただ、強気な部分が足りなかったと思うので、明日に向けて修正をしていきたいです」
また、彼女の大きな武器である当たり負けしないディフェンスに関しても反省の弁が先に出る。「マリの強いドライブに対してコースに入れた時もありましたが、対応が少し遅れて抜かれたところがヘルプに行った場面でもありました。そこは修正していきたいです」
21歳の東藤にとって、ワールドカップは今大会が初出場となる。ただ、すでに東京五輪の大舞台を経験しているだけに「良い緊張感を持って、良い集中力でできたと思います」と平常心でプレーできている。だからこそ、14得点を挙げ攻守でチームの勝利に貢献しても満足することはなく「強気な部分が足りなかった。ディフェンスの対応で遅れた部分があった」など反省の言葉が目立つ。
好スタートを切った日本は明日、セルビアと対戦する。「結構ディフェンスが強くハードにやってくるチームなので、そこはまた逃げずにペイントアタックなどをどんどん仕掛けていく。また、積極的な攻めのディフェンスでプレッシャーをかけていきたいと思います」と、東藤は意気込みを語っている。彼女が自身の満足するアグレッシブな姿を攻守で見せられた時、日本代表が目指す激しいプレーができていることに繋がっていくはずだ。