「ファイナル進出は最高の気分だけど、とにかくあと1つ勝ちたい」
フランス代表は、ユーロバスケットの準決勝ポーランド戦で95-54の快勝を収めた。前半を終えて34-18とロースコアの展開に持ち込んだ時点で、ディフェンスに強みのあるフランスの優位は動かなかった。第3クォーター、第4クォーターも順調に点差を広げ、試合開始から2分10秒で奪ったリードを一度も手放さなかった。
ベスト16ではトルコに、ベスト8ではイタリアに大苦戦を強いられ、相手がフリースローを落とさなければ敗退に追いやられる危機に陥っている。イタリアに勝った時点でルディ・ゴベアは「正直ツイてると思う」と認め、「バスケットボールの神にこの先も祈るよ」とジョークを飛ばした。
だが、このポーランド戦ではツキに味方してもらう必要もなかった。リムプロテクターとしてフランスの守備の要となるゴベアは第3クォーターの途中でベンチに下がり、終盤はプレーしていない。
「完璧なディフェンスを40分間続けられた」とゴベアは言う。「こういう大会では一つのミスが大きな失敗を招くこともある。プレーの強度が落ちたり、集中が途切れてしまうこともあったけど、今回はほぼ完璧と言っていいゲームができたんじゃないかな。そんなチームのみんなを誇りに思うよ」
ツキに恵まれた部分はあるのかもしれないが、ツキだけでファイナルまで勝ち上がれるほどユーロバスケットは甘くない。ゴベアも「全然楽じゃなかったよ。ここまでの道のりは険しいものだった。みんな一生懸命に練習して、それぞれが勝ちに値するところまで自分を高めた結果なんだ」と語る。
ファイナルで当たるスペイン代表は大会を通じて個々が成長し、『家族』としての結束を強めており、チーム状態は非常に良い。そのスペインに勝つにはツキが必要かどうかは別として、ゴベアが守備の要として、またリバウンド王としてゴール下を制圧する必要があるのは間違いない。
ゴベアもその覚悟ができている。「ファイナル進出は最高の気分だけど、とにかくあと1つ勝ちたい。実は、僕は金メダルを取ったことがない。銀メダルも銅メダルもたくさんもっているから、欲しいのは金メダルだけなんだ。チームが始動したその日から金メダルだけを目指してやってきた。あと1勝なんだ」