クエンティン・グライムス

エースのバレットよりも高い評価を受けるグライムス

ジャズは今オフに大黒柱のルディ・ゴベアを放出し、チーム再編を推し進めている。エースのドノバン・ミッチェルをもトレードで放出し、複数のドラフト1巡指名権と若手選手を獲得するとの噂も上がり、中でもミッチェルの地元ニューヨークを拠点とするニックスが移籍先の有力候補と言われているが、ここまで合意に至っていない。

ニックスの地元紙『ニューヨーク・ポスト』は、7月にジャズの要求するドラフト1巡指名権と選手で計7つの条件をニックスが拒否した後、両者の交渉は途絶えていたがここにきて再開したと報じている。その上でニックスのトム・シボドーヘッドコーチはジャズが求める若手有望株について、ここまでエース級の働きを見せているRJ・バレットよりも2年目のクエンティン・グライムスを引き留めたいとの意向を示した。

2019年ドラフト全体3位で入団したバレットは、キャリア3年目の昨シーズンに70試合出場し平均20.0得点、5.8リバウンド、3アシストを記録。一方、昨年のドラフト全体25位でクリッパーズから指名され、その後のトレードでニックスに移籍したグライムスは46試合の出場で平均6.0得点2.0リバウンドに終わっている。

ただ、同紙はグライムスの方がバレットよりもディフェンス面と3ポイントシュート力で優れていると評価し、シボドーヘッドコーチもドラフト時にグライムスの獲得を強く要求したように彼の能力を高く買っている。フリーエージェントで獲得したブランソンと、もしミッチェルでバックコートが組める場合、バレットよりもグライムスの方が二人との組み合わせに適しているとも見ているようだ。

また、ニックス首脳陣は昨シーズンもフィールドゴール成功率40.8%に終わるなどシュート力に課題のあるバレットについて、マックス契約の価値があるかの確信を持てていない。こうした背景もあり、グライムスをバレットよりも重要視しているが、ジャズのバスケット部門トップであるダニー・エインジもグライムズをチーム再建に必要な選手と高く評価していると同紙は伝えている。

両者の様々な思惑がある中、果たしてミッチェルのニックス移籍が実現するか。この話題は引き続きリーグ全体を賑わせていきそうだ。