シャキール・オニール

「カリーより優れたプレーをする選手はいない」

シャキール・オニールとティム・ダンカンは90年代後半から2000年代に渡って、NBAを代表するセンターとして活躍した。

ともに19年の現役生活で、シャックは4度のNBA優勝に1度のシーズンMVP選出、ダンカンは5度のNBA優勝に2度のシーズンMVP選出という素晴らしい成績を残したが、2人の大きな共通点は、同じ時代に生き『ゴール下を支配したNBAスター選手』ということだ。

彼らが全盛期の2000年代、レイカーズとスパーズはプレーオフで何度も対戦するライバル関係にあった。その中で、シャックは規格外の体躯とそれに見合わぬ敏捷性を武器に、6年間という短い期間で4度のNBA優勝を成し遂げ、リーグNo.1センターと呼ばれた。

そんな彼はかつて自身が執筆した自伝で、当時抱いていたダンカンに対するリスペクトを明かしている。「スパースが勝ったのは、僕が絶対に倒せなかったティム・ダンカンという男がいたおかげだ。パトリック・ユーイングにトラッシュトークをしたり、デビッド・ロビンソンに絡みにいったり、アロンゾ・モーニングを怒らせたりした。同じようにティムにも向かって行ったけど、彼だけは退屈そうな顔をするんだよ。彼のファンが『ティム・ダンカンがGOATだ』と主張するたびに、僕も同じ気持ちだった」

このように現役時代はダンカンをリスペクトしていたシャックだが、自身のポッドキャスト番組で現在の西カンファレンスのヒエラルキーを問われた際に「僕を含め、誰も世界最高峰の選手であるステフィン・カリーを倒すことはできないだろう」と語った。

カリーは、これまでに4度のNBA優勝、2度のシーズンMVP、そして昨シーズン初受賞したファイナルMVPと数々のタイトルをつかんできた。個人賞を見れば、ニコラ・ヨキッチもここ2年連続でシーズンMVPを獲得して、東カンファレンスではあるがヤニス・アデトクンボも2度のシーズンMVPに1度のファイナルMVPを受賞している。

それでもシャックは、カリーが『群を抜いて』世界最高峰の選手だと確信している。「もちろん、カテゴリーで見ることはできるけど、すべてはチャンピオンシップにより認められるんだ。ステフィン・カリーより優れたプレーをする選手はいないよ。彼はただのショットメーカーじゃなくて、タフなショットメーカーだ。僕は彼が築いてきたキャリアが好きなのさ」