レブロン・ジェームズ

ほとんどの選手の契約が新シーズン限り、再建へ切り替える備えも

レイカーズは契約が残り1年となったレブロン・ジェームスとの延長交渉を始めていますが、交渉は即決とはいきませんでした。レブロンが求めるのはサラリー以上に『優勝を狙えるロスター』であり、積極的な話し合いが行われているものの、現状のロスターでは不十分だと判断されていることになります。

一方でレイカーズ側も優勝を目指しながらも『未来を犠牲にしたくない』スタンスでオフの補強を進めており、両者の思惑が一致するのかが注目されます。

ビッグ3を揃えながら失敗に終わった昨シーズンを経て、今オフのレイカーズはロールプレイヤーを大きく入れ替えました。ベテランばかり揃えて運動量が足りず、しかもケガでの離脱が長すぎたことでチームが崩壊した反省を踏まえて、フリーエージェント市場でトロイ・ブラウンJr.やロニー・ウォーカー四世、トーマス・ブライアント、ダミアン・ジョーンズとの契約は、運動量を期待できる若手を増やし、アンソニー・デイビスのバックアップ役やオールラウンドなウイング、ガードからセンターまで守れるディフェンダーなど、チームに足りていない要素をしっかりと補いました。

しかし、実績が不十分な若手との相性は未知数であり、レブロンがこれで納得するかどうかは分かりません。何より現実的な補強ではあっても、プレーイン・トーナメントにも進めなかったチームに劇的な変化をもたらす補強ではありません。開幕まで時間があるだけに、レブロンとの契約延長交渉によっては、たびたび話題に上がるラッセル・ウェストブルックとカイリー・アービングのトレードのような大胆な動きも起こるかもしれません。

レイカーズは若手を補強していますが、これは長期的な視野でのチーム作りではなく、新たに契約した選手はほとんどが1年契約です。それだけでなくレイカーズは既存の選手も含めて、ほとんどの選手が来オフに契約が切れます。新シーズンは勝負の1年であると同時に、失敗なら即座に再建へと切り替えられる1年でもあります。ウェストブルックのトレードが何度も噂になりながら成立しないのは、レイカーズ側が契約年数の長い選手を加えることやドラフト指名権を手放すことを躊躇っているからと考えられます。

契約残り1年のレブロンが延長すれば、中期計画へと移行できるため、未来を犠牲にした補強も進めやすくなります。逆に契約が決まらない場合は、対価が期待できるアンソニー・デイビスをトレードして再建へシフトすることも選択肢に含まれているはずです。レブロンがレイカーズの現状をどう捉えているのか、そのレブロンの評価を受けてレイカーズがどう動くのか、契約延長交渉の行方はレイカーズの方向性を大きく左右しそうです。