台湾遠征を終えた日本代表ヘッドコーチ、長谷川健志インタビューvol.1「引いた姿勢では国際大会なんて勝てっこない」

2016/11/16
Bリーグ&国内
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文・写真=小永吉陽子

Bリーグを一時中断して行われた日本代表の強化。11月9日から12日にわたり、来年のワールドカップ予選のシミュレーションを兼ねた台湾遠征にて、長谷川健志ヘッドコーチに聞いたインタビューを紹介したい。台湾遠征の総括、今後の代表選出と強化方法、そしてBリーグに求めることは何か──。次回の日本代表の強化は年明けの2月に予定されている。

「短い強化時間の中で自分の良いところを出すこと」

今回の台湾遠征のメンバー選考、チーム作りの狙いは?

今回の目的は来年のワールドカップ予選のための遠征なので、来年のワールドカップ予選の代表に入り得る可能性のある選手で、現在リーグでパフォーマンスを出している選手を選びました。またビッグマンでは竹内(公輔、譲次)、太田(敦也)の次に絡む選手を選出しています。チーム作りとしてはゼロからのスタートではなく、アジアチャレンジ(9月、イランでのFIBA国際大会)のメンバーを選ぶことで、継続的なチーム作りをやっていく方針です。

来年のワールドカップ予選を見越せば、選ばれる可能性があるベテラン勢にも台湾遠征のようなシミュレーションは必要かと思います。それでも若手を多く選出した理由は何ですか?

やはり競争が必要だと思うんですよね。常にリーグで競争して、代表メンバーを争わないと強くなれない。ベテランの選手というのは1、2日の練習でも理解度は高い。でも若い選手には国際経験がまだ足りない。短い強化時間の中で自分の良いところを出すことを今回のコンセプトにしているので、若手にはそこをチャレンジしてほしい。若手がベテランを追い抜くくらいのつもりでやってほしいですね。

また、誰が選ばれるか分からない状況の中で国際試合を経験しておかないといけないと思っています。例えば、ケガで主力選手が欠けたからといって「チームが組めません」では話にならない。そういう意味では、メンバーの底上げをしておく必要があります。ワールドカップはリーグ中に行われるのだから、その時にパフォーマンスやコンディションが良い選手が呼ばれるべきだと思うんですね。6月から9月の活動期間に多くの選手にチャンスを与えながら、11月や2月の予選本番では強化してきた中から誰が選ばれてもいいような競争状態を作りたい。今回の遠征に選ばれなかったからといってチャンスがないわけではないし、これからもっと競争になってもらわないと、日本は強くなりません。

「外に出た機会に相手国のスタイルを学ぶことも大切」

台湾でプロチーム(台湾ビール、台湾銀行)と2試合を通しての手応えは。

集合して一日しか練習していない中では、やろうとしていることはできました。今回は短い時間で自分の特長を出すことがテーマで、2試合しかないので最初からメンバーをどんどんチェンジさせました。その中で、求めている速い展開とフロアバランスを考えながらシュートチャンスを作ることはできたと思います。それはアジアチャレンジでの土台ができているからやれたこともあるので、継続という点に関しては良い練習になっています。

日本の選手の欠点は国際大会の初戦に弱く、引いてしまうこと。引いた姿勢では国際大会なんて勝てっこないのだから、今回のような練習試合から積極的にやることで、これまでの消極的な姿勢を解消したかったので、その点ではよく走れました。

台湾チームの特長に対して、どのような対策を取りましたか?

台湾チームの良いところはドライブに強くてアタックしてくること。そこをしっかり守るのがテーマでした。オフェンスでは1戦目は簡単にシュートを打てたけど、2戦目はゾーンオフェンスがうまくできなくて、そこは一日の練習では準備ができなかったところなので、もっと突き詰めていかなくてはなりません。

ただ、今回の遠征に関していえば、強い弱いは別として、海外のチームと対戦することで、その国の持つスタイルにアジャストすることもテーマでした。日本は国際大会では対応するのにいつも時間がかかってしまう。選手にも言ったのですが、こういう外に出た機会に相手国のスタイルを学ぶことも大切だと。特に若い選手はいろんな状況での経験が必要。それが国際大会で生きてきます。

今回だって、リーグの最中に飛行機に乗って移動したうえに、食べ物も違うし、コート環境も審判も違う。試合開始はテレビ中継の都合で2試合とも遅れました。台湾なんかは日本のように運営がビシッとしていないわけです。試合時間が遅れた時に選手自身やスタッフがどう調整するか。それはやっぱり海外に来ないとわからない。その行った国のバスケスタイルから学ぶことはたくさんあります。