ケビン・デュラント

ネッツにとっては残留がベスト、デュラントの気持ちを変えられるか

ケビン・デュラントのトレード要求から1カ月が経過したが、彼の望むトレードはいまだに成立していない。サンズはディアンドレ・エイトンと再契約したことでデュラント獲得の扉を閉ざし、ヒートもネッツを納得させるオファーは出さず、ジェイレン・ブラウンを軸にオファーをしたと言われるセルティックスとの交渉も進展していない。

状況が動かない要因の一つは、ネッツがそもそもデュラントを手放したくないからだ。デュラントもトレード要求をしたとはいえ、優勝争いのできないチームでプレーするつもりはない。時間の経過とともに有効な選択肢が減っていく中、今シーズンもブルックリンで優勝を目指す、と心変わりをするかもしれない。

『Heavy』はあるリーグ関係者の証言から、ネッツのオーナーを務めるジョー・ツァイとデュラントが近々会って話をすると報じた。ショーン・マークスGMや指揮官スティーブ・ナッシュでは解決できなかったことも、より大きな権限を持つオーナーの介入があれば話が変わるかもしれない。

デュラントの不満は、友人であるカイリー・アービングとの長期契約をネッツが渋ったからと言われているが、あるいは逆にカイリーの気まぐれな態度に愛想を尽かしたのではないか、とも言われている。他にもネッツはジェームズ・ハーデンとのトレードで、ここ数年のNBAで最もプロフェッショナル精神が疑問視されるベン・シモンズを獲得しており、デュラントは「このチームでは勝てない」と結論付けたのかもしれない。

デュラントもネッツも問題がどこにあるのか明かしてはいないが、オーナーとデュラントが会えばそれが議論されるはずだ。一度のミーティングで解決には至らないまでも、デュラントの中で気持ちの収まりが付けば、ネッツ残留で話がまとまるかもしれない。

カイリーとシモンズが『シーズンを通してまともにプレーする』ことが前提条件となるが、ジョー・ハリスとセス・カリーがトレーニングキャンプから復帰できそうなのは良い兆候であり、パティ・ミルズとニコラス・クラクストンは契約を延長した。そして今のところ、チーム全員が良いコンディションにあることだ。デュラントがネッツでプレーする意思を固めてくれれば、このチームは再び前進することができる。

時間が経過するにつれて、デュラントの望むトレードが実現する可能性は下がっていく。ネッツとしても、彼の去就が決まらなければ動くに動けない。オーナーが動くことで、事態はようやく進展するのかもしれない。