ベルギー、オーストラリアを経由しNBAで先発を勝ち取った苦労人
今オフ、ジェイショーン・テイトはロケッツと3年2210万ドル(約30億1000万円)での契約延長に合意した。名門オハイオ州立大で活躍するもNBAドラフト2018で指名されず、ベルギー、オーストラリアでそれぞれ1年プレーした。その後、2020-21シーズンにロケッツに加入してNBA選手になったテイトにとっては、念願の大型契約だ。
現在26歳のテイトは、身長193cmながらパワーフォワードで起用されるコンタクトの強さと機動力を備え、ガードからビッグマンまで対応できるディフェンス能力が大きな特徴だ。ロケッツ加入1年目の2020-21シーズンは70試合出場で平均11.3得点、5.3リバウンド、2.5アシストを記録し、オールルーキーファーストチームに選出された。そして2年目の昨シーズンも78試合出場で11.8得点、5.4リバウンド、2.8アシストを挙げ、主力の地位を確立した。
それだけに今オフ、ロケッツがチームオプションを行使すれば年俸180万ドルで新シーズンもテイトを保有できたがそれをしなかったため、彼がフリーエージェントになったのは大きな驚きだった。しかし、その後、フリーエージェント交渉が解禁されると、ロケッツはすぐにテイトと冒頭で紹介した金額で契約を結んでいる。
新しい契約は大幅な昇給だが、リーグ全体で見ると先発メンバーに払う金額としては割安な印象は強い。それでもロケッツと再契約した理由をテイトは『HoopsHype.com』のインタビューでこう語っている。
「今回の契約よりも自分は価値があると思っている。ただ、僕はハングリーな気持ちを持って、モチベーションを保つやり方が好きなんだ。この契約は自分の人生を変えるものだけど、自分の在り方を変えるものではない。交渉にあたって、自分の可能性により賭けるかどうかを考えないといけなかった。決断をもっと待つこともできたし、これからシーズンがどうなるのか、フリーエージェント市場がどうなるのかは誰にも分からない。ただ、ヒューストンこそが僕のホームであり、一員になることで興奮できる場所だと感じたんだ。幸せに値段はつけられない」
より若返りを図るロケッツにあって新シーズンのテイトは、リーダー役としても期待されるが、それもこのチーム愛を持っていれば当然のことだろう。