日本代表

後半だけを見ると51-50と日本が上回る

バスケットボール男子日本代表は、『アジアカップ2022』のベスト4進出をかけて、優勝候補のオーストラリア代表と対戦した。

渡邊雄太は先日のフィリピン戦で足を負傷したため欠場し、日本の先発は富樫勇樹、西田優大、須田侑太郎、張本天傑、ルーク・エヴァンスの5人に。オーストラリアは富樫のところで高さのミスマッチを突いて日本のディフェンスローテーションを動かすと、立ち上がりから3ポイントシュートを沈める。対して日本もトランジションから富樫が3ポイントシュートを決め返すが、ハーフコートオフェンスでは富樫が積極的にペイントアタックを仕掛けるもキックアウトのパスをカットされたりと、オーストラリアの守備力の高さが際立ち、開始5分で3-15と圧倒された。

ディフェンスでも日本は身体を張ってハードに対応するが、オーストラリアの高さに苦戦し失点を止めることができない。また、リバウンドを含めたゴール下だけでなく、3ポイントシュートも高確率でオーストラリアに決められ苦しい展開に。それでも、ベンチから出場した河村勇輝がスピードでオーストラリアに真っ向勝負を仕掛けてオフェンスを活性化させると、富永啓生が3ポイントシュートを4本中3本成功させ、22-33で第1クォーターを終えた。

第2クォーターの立ち上がりで富永が3点プレーとなるバスケット・カウントを決めると、吉井裕鷹もタフな3ポイントシュートを沈めて、開始2分で5点差(28-33)に詰める。しかし、そこからオーストラリアにゴール下での3連続得点や3ポイントシュートなど、0-11のランを決められ、あっという間にリードを広げられた。その後も日本はチーム全員でリバウンドを取りに行く意識はあるが、なかなか取り切ることができず、前半だけでリバウンドを13-31(オフェンスリバウンドは2-12)と圧倒され、セカンドチャンスポイントも3-15とインサイドを支配された。インサイドでの勝負が厳しい日本は、ボールをシェアしてズレを作ろうとするが、オーストラリアの機動力が上回り、なかなかシュートチャンスを作れない。それでも、富永が時間ギリギリでディープスリーを沈めて食らいつき、34-49で前半を終えた。

日本代表

富永は3ポイントシュート15本中8本成功を含むゲームハイの33得点を記録

後半、日本は富樫のフローターや張本のペイントアタックから西田が3ポイントシュートを沈めたりと、積極的にアタックして点差を詰めていく。ボックスアウトの意識も前半より高まり、相手に簡単にリバウンドを取らせない。河村のドライブや吉井がフェイダウェイシュートを決めるなど若手が奮闘するが、失点を止めることができず、54-75で第3クォーターを終えた。

最終クォーターには富樫の連続3ポイントシュートやペイントアタックからのキックアウトで須田侑太郎が3ポイントシュートを沈め、立ち上がりの約4分間を14-5として12点差まで詰め寄り、相手にタイムアウトを取らせた。タイムアウト明けにオーストラリアに連続得点を許したが、日本は井上が確率良く3ポイントシュートを沈め、残り4分を切って81-90とついに1桁差に追い詰める。オフェンスだけでなく、インサイドでの守備でも身体を張って、相手にイージーシュートを与えない。残り約2分で日本は富樫と河村の2ガード体制を起用し、富永が再びディープスリーを沈めて、オーストラリアを追い詰めたが、最終スコア85-99で敗れた。

日本は富永が3ポイントシュート15本中8本成功を含むゲームハイの33得点と5リバウンドを記録し、富樫が3ポイントシュート7本中4本成功を含む14得点5アシスト、井上も3ポイントシュート6本中3本成功を含む11得点6リバウンドを記録した。チームとしても、リバウンドは29-51と圧倒されたが、3ポイントシュート成功率46.5%と、トム・ホーバスヘッドコーチが求める成功率40%台に乗せた。

敗れはしたものの、前回(7月1日)のワールドカップ予選で46点差の大敗を喫した時に比べると、日本は全員がチームルールを徹底し、最後までオーストラリアを苦した。ベスト4進出を逃したが、日本の成長を感じさせるアジアカップとなった。