[THE CROSSOVER]ディアンテ・ギャレット(アルバルク東京)Bリーグに『本物』のエッセンスをもたらすクラッチシューターvol.1

2016/11/22
Bリーグ&国内
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文=鈴木栄一 写真=鈴木栄一、Getty Images、野口岳彦

プレーに『華』のあるアルバルク東京の新たなエース

Bリーグにおいて、各チーム3選手の選手登録が認められている外国籍選手(帰化枠を含む)は、日本人に長身選手が少ないこともあり、200cm以上の高さを持ちインサイドを主戦場とするポジションの選手で占められているもの。その中で唯一、本職がガードの外国籍選手であるのが、アルバルク東京のディアンテ・ギャレットだ。

卓越したドリブルテクニックと一瞬で相手を抜き去る瞬発力、崩れた体勢からでも難なくシュートを決めるボディバランスを兼ね備えた彼は、抜群の得点能力はもちろんのこと、プレーに『華』がある貴重な存在だ。彼がシュートを決めると、それまで静かだった観客が思わず声を上げてしまう。そんな場面を、すでに何度も見ている。

早くもリーグに大きなインパクトを与えているギャレットとは、どんな人物なのかを掘り下げていきたい。

父のディックも1970年代にレイカーズ、ニックスなどでプレーした元NBA選手。その息子のディアンテは2012-13シーズンにサンズでNBAデビューを飾った。さらに続く2013-14シーズンにはジャズで71試合に出場、1試合平均で約15分のプレータイムを記録している。

NBAのプレー経験がある外国籍選手が日本に来ることは珍しくない。しかし、ギャレットのように1シーズンに渡って出場機会を得ていた実績があり、さらに20代後半とこれから全盛期を迎える年齢の選手が来ることは皆無だっただけに、シーズン開幕前から注目を集めていた。

「NBA選手になることは、バスケ少年の誰もが抱く夢だよ。僕もNBAの試合を見ながら育ってきたので、いつもNBAでプレーしたいと思っていた。それが実現した時は、『WOW! NBAのコートにいるよ!!』っていう気持ちだった」

このようにNBA時代について語るギャレットは、さらに「サンズ時代、ジャズ時代ともに素晴らしい経験だった」と振り返る。「サンズでは、チームは多くのベテラン選手がいていろいろと教わった。そしてジャズでは、ベンチに座っているだけでなく、試合にいつも出てプレーし続けられたことが収穫だった。NBA時代の友人たちとはFacebookやInstagramなどSNSを使って今でも連絡を取っている。マイケル・ビーズリー、ウェスリー・ジョンソン、セバスチャン・テルフィア、ブランドン・ラッシュなどたくさんいるよ」

「自分がチームを助けられると自信を持っている」

今回のA東京入団に当たり、日本のプロバスケ事情については事前にしっかりと情報を得ていたようだ。「日本のバスケットボールに関しては、親友の一人であるドゥレイロン・バーンズ(昨シーズンまでbjリーグの横浜ビー・コルセアーズ、琉球ゴールデンキングスでプレーし、3度のリーグ制覇を達成)から聞いていた。僕たちは地元が同じで、彼がアメリカに帰って来た時には、いつも日本の話を聞いていたんだ。どんな文化とか、どんなリーグなのかアドバイスをもらったよ」

また、代理人を務める元NBA選手BJ・アームストロング(90年代、シカゴ・ブルズの3連覇に貢献)の推薦も大きかったようだ。「BJは素晴らしい人物で、東京が素晴らしい場所という彼の言葉を信頼した。彼は東京が大好きと言っていたので、いずれ彼も東京に来ると思うよ」

現在、ギャレットは得点を挙げるとともに、ポイントガードの役割も担っている。「ポイントガードとしてはチームを引っ張り、みんなが適切なポジションに位置するように指示を出すなど、コート上のリーダーとなっていきたい。そして、ゴール下にアタックしていくことで、味方のシュートチャンスを作り出す。アグレッシブにプレーすることがチームの助けになるからね」

そして、伊藤拓摩ヘッドコーチの信頼が、慣れない新天地でのプレーをやりやすくしてくれていると語る。「コーチは『考えすぎないで、本能に従ってプレーしてくれればいい。ターンオーバーとか気にせずハードにプレーしろ』と言ってくれる。彼が自分をとても信頼してくれることは大きいよ」

「レギュラーシーズンで1位になるなど、昨シーズンのアルバルクがどんなシーズンを送ったのかは加入前から知っていた。(王座奪取への切り札としての期待されていることに)プレッシャーはない。コーチもプレッシャーをかけずにいてくれる。自分がチームを助けられると自信を持っている」