U17男子代表

リバウンドでは圧倒されたが、24ターンオーバー誘発と平面での激しい守備で健闘

U17ワールドカップに出場している男子日本代表はグループリーグ最終戦でリトアニアと激突。63-73で敗れたが、高さとフィジカルで上回る相手に食らいつき、後半は38-29とリードするなど健闘が光った。日本はグループBで4位となり、決勝トーナメント初戦はA組1位のフランスと対戦する。

日本は出だしでリトアニアの高さに圧倒され0-11と先手を取られてしまう。それでも、ローポストにボールを入れられると3人で素早く囲んで内藤耀悠がスティールするなどディフェンスで崩れずに踏ん張る。さらに過去2試合はファウルで止めるべき場面でそれをせずイージーシュートを許していたが、ローテーションのズレからゴール下で相手ビッグマンとのミスマッチとなった石口直がすぐにファウルで止めるなど、課題の改善が見られた。その結果、川島悠翔の連続得点で追い上げるなど、その後は互角に渡り合い11-19で第1クォーターを終えた。

第2クォーターに入ると、日本は落ち着きを取り戻したリトアニアディフェンスの前にペイントタッチができず、タフショットで終わることが多くなる。そこからトランジションに持ち込まれ、守備の陣形が整わないうちにオープンシュートを打たれ、インサイドアタックも許し、19点差をつけられて前半を終えた。

第3クォーターもリトアニアのペースで進んだが、日本は終盤にターンオーバー奪取から流れをつかんだ。そしてリズムに乗った日本は第4クォーター序盤にルーニー慧、小川瑛次郎の連続3ポイントシュート成功で46-56と追い上げた。しかし、高さで劣る日本はインサイドアタックから失点し、主導権を奪い返されてそのまま敗れた。

この試合、日本はリバウドで26-57とリトアニアに圧倒された。しかし、持ち味である機動力を生かした平面での激しいディフェンスで11スティールを奪い、計24のターンオーバーを誘発と、過去2試合とは大きく違う大きな収穫を得た一戦となった。

川島悠翔

大活躍の川島「今日は自分の中でいろいろと追求して失敗も修正できた」

日本のエース川島は27得点10リバウンドを記録。過去2試合で感じた課題に対処でき、内容面でも大きな手応えを得る活躍を見せた川島はこう試合を振り返る。「今日は自分の中でいろいろと追求して失敗も修正できたので、前の2試合に比べると良かったです。スペイン、リトアニアと世界の強豪を相手に自分のプレーがどこまで通用するのか試せたのは良い経験だったと思います」

大会前、得点王を目指すと意気込んでいた川島だが、大会の折り返しとなるグループリーグを終え1試合平均19.7得点は、ヤン・ビデ(クロアチア)の20.7得点に次ぐ2位だ。そして3位には19.3得点でイアン・ジャクソン(アメリカ)が続いている。ちなみにビデは欧州の名門レアル・マドリード所属、ジャクソンはアメリカの有望高校生を紹介している主要サイトで、2024年に大学1年生となる世代で全米1位や2位にランク付けされている逸材だ。彼ら以上のスタッツを残すことは、彼が希望するNCAAの強豪校に向けた大きなアピールとなる。

着実な成長を見せた日本代表のここからのステップアップに加え、川島のさらなる大暴れがより楽しみとなる。敗れたとはいえ、収穫の多い一戦となった。