ドレイモンド・グリーン

写真=Getty Images

減額を受け入れた2015年「理解した上で決断した」

スリーピート(3連覇)濃厚と言われる現在のウォリアーズは、今シーズンを最後に解体の方向に向かう可能性が囁かれている。というのも、2018-19シーズン終了後にクレイ・トンプソンとケビン・デュラント、そして2019-20シーズン終了後にはドレイモンド・グリーンがフリーエージェントになるからだ。

早々とウォリアーズとの再契約を希望したトンプソンに続いて、同じく生え抜きのグリーンも残留を希望。チームとの交渉について『The Athletic』に聞かれたグリーンは、代理人に全てを一任するのではなく、自ら交渉に積極的にかかわる考えを明かしている。

「とにかくアクティブにかかわる。代理人に任せて、希望する形にならなかった時に文句を言う選手もいるけれど、第一に、これはビジネスということを理解する必要がある。いかなることであっても、必要なことは自分で理解しておかないといけないんだ」と、グリーンは語る。「選手が契約交渉に臨む上で最も大事なことは、目の前にある状況を理解できているかどうか。理解できていない選手が多いけれど、俺は違う」と続けた。

2015年、グリーンは、最大で9400万ドル(約105億円)の契約を結べたにもかかわらず、ウォリアーズと5年8200万ドル(約92億円)という条件で合意した。ドラフト2巡目指名を受けた選手(2012年の全体35位)ならば、稼げる時に最高額を手にしたいと思う選手が圧倒的に多いはず。それでもグリーンは2016年にデュラントがフリーエージェントになることを考え、1000万ドル(約11億円)以上の減額を受け入れたのだ。当時デュラントはサンダーのエースで、ウォリアーズに移籍する保証はなく、サンダーを退団するかどうかも分からなかった。それでもグリーンは、サラリーキャップなどに関する規定が定められたNBA労使協定の仕組みを理解し、チームにデュラントと契約できるだけの金銭的余裕を残す方を選択した。それもこれも、優勝を優先したからだった。

この決断について、グリーンは「KDが加わる前に減額を受け入れた時も、自分の決断の意味を理解していた」と言う。「自分が決めたことなのだから、後になって代理人に文句を言うような真似はしない。チームの総年俸額も知っていた。どれだけキャップスペースに空きがあるかも、マックス契約の金額も分かっていた。なにもかも理解した上で決断したんだ。契約交渉というのは、そうあるべきなんだ」

もしウォリアーズが3連覇を達成できたとして、グリーンがさらなる優勝リングを望むのであれば、再びチーム作りを優先して減額を受け入れるかもしれない。だが、トンプソンもグリーンも、貢献度を考えればマックス契約での再契約が相応しい選手で、ウォリアーズ首脳陣も頭が痛いところだろう。

契約交渉でも『オレ流』を貫くグリーンが何を選択するのか、ウォリアーズとの交渉の行方を見守りたい。