「過去と比較されて、それでも再び山の頂上に登れるチームがどれだけいるか」

ウォリアーズのステフィン・カリーは、4年ぶりの優勝を確信した瞬間、両手で頭を抱え、涙を流した。

2019年のNBAファイナルでラプターズに敗れてからというもの、ウォリアーズはクレイ・トンプソンの長期離脱、カリー自身のケガが重なり、リーグ最下位という苦しい時期を経験してきた。苦難の末につかんだキャリア4回目の優勝だったからこそ、カリーは人目を憚らずに感情を表に出したのだろう。

第6戦後の会見で「過去の優勝とは違う」と語ったカリーは、これまで背負ってきた重圧について語り始めた。「これまでの3年間もあった。ケガがあって、ロスターを入れ替えた。ウィグス（アンドリュー・ウィギンズ）が台頭して、若い選手たちもこのステージに戻って、優勝できると信じてくれた。こんな話をしても誰にも信じてもらえなかったけど、4回目の優勝を成し遂げたんだ。これは特別な結果だよ。これまでの努力、信じる気持ちも大事だった。ここまでたどり着くプロセスにおいて、ロッカールームでシャンパンファイトをした全員が重要だった。みんなのことを誇りに思う」

「2015年から19年までは、安定して優勝を狙えていた。だから、今回の優勝はこれまでとは違うと言ったんだ。この2年は、『歳をとりすぎている』などと言われてきた。若い選手の育成も続けて、ウチのコアを維持するなど決断を下すのが難しい問題もあった。苦しい時期には責任を感じていた」

「ようやくプレーオフに進出できて、ナゲッツ、グリズリーズ、マーベリックス、そしてセルティックスとのシリーズを経て今に至っている。信じられないよ。そしてフィニッシュラインを切れた。2019年のファイナル第6戦から背負ってきたものの重みがあるからこそ、今回の優勝はこれまでとは違う」

「今だから言えることがある。過去のチームと比較されて、それでも再び山の頂上に登れるチームがどれだけいるか、見当もつかない。ロッカールームにいる多くの選手、関係者は今回の優勝を心から喜ぶべきだ。それだけのチームなんだからね。本当に最高だよ」