「自己犠牲がなければ何も成し遂げることはできない」
今シーズンのレイカーズはレブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビス、ラッセル・ウェストブルックの『ビッグ3』に加えて、カーメロ・アンソニーなどの元オールスター選手を獲得して挑んだが、主力のケガが相次いだこともあり、33勝49敗(西カンファレンス11位)でプレーオフはおろかプレーイン・トーナメント進出も逃した。そのため2019-20シーズンからの3シーズン指揮を執り、2020年には10年ぶり17回目のNBA優勝に導いたフランク・ボーゲルをシーズン終了後すぐに解雇した。
そして、バックスのアシスタントコーチを務めていたダービン・ハムが新たな指揮官となった。ハムはレイカーズでコーチングキャリアをスタートさせたこともあり、「私はここでコーチをスタートさせた。この場所はこれから先もずっと特別になるでしょう。私にとってはホームへ帰ってきたようなものです」と、就任会見でコメントした。
今シーズンのウェストブルックはサードオプションにフィットできず、低調なパフォーマンスに終わったが、ハムは「リーグ史上ベストプレーヤーの1人」と彼を擁護しつつ、自己犠牲の必要性を訴えた。
「彼にはまだ燃料が残っている。彼を見限ろうとしている傾向があるが私には理解できない。彼にはこれまでと同様に高いエナジーレベルでプレーする選手として期待している。現在は多くの場面でボールを持たずにディフェンスすることがあるかもしれないが、チーム全員で負担をシェアしていくことが必要。自己犠牲なしには何も成し遂げることができないんだ」
そしてハムはレイカーズが再び強豪チームに返り咲くためにはディフェンスの向上が必要と話し、キープレーヤーにアンソニー・デイビスを挙げた。「彼が健康で、高いレベルでプレーしている時に何が起こるか、我々は皆見てきた。彼のスキル、サイズ、複数のポジションでディフェンスする能力が鍵となり、アンソニー・デイビスの一貫性が必要。彼には健康でいてもらわなければならない。彼が精神的に良い状態を保ち、チャンピオンシップレベルのバスケットボールをプレーすることが必要なんだ」
今シーズンのデイビスは左膝の内側側副靭帯捻挫をし、復帰後も右足首を捻挫したことで40試合の出場に留まった。また、平均23.2得点は挙げたものの、3ポイントシュート成功率は18.6%と極度のシュート不振に陥った。それでも、平均2.3ブロックを記録したようにディフェンス面での貢献は高かったため、ハムが言うようにデイビスのパフォーマンスがレイカーズ再建のカギを握ることになりそうだ。