悪い流れを払拭し、逆転勝利に貢献
千葉ジェッツとの先出し開幕戦に敵地で連勝した川崎ブレイブサンダースは昨日、滋賀レイクスターズをホームに迎えた。序盤に大量リードを奪われるも、強度の高いディフェンスでカムバックし、76-64で無傷の3連勝を飾った。
記念すべき開幕戦であると同時に、ケガからの回復が遅れて千葉戦を欠場したニック・ファジーカスのシーズンが幕を開けた日でもあった。川崎はホーム開幕戦の重圧からか滋賀の猛攻に遭い、序盤から劣勢を強いられた。「出だしが悪かったから、ずっとヘッドコーチを見て『call me』とサインを送り、呼ばれるのを待っていたんだ」とファジーカスはその時の様子を語る。
第1クォーター残り3分30秒、12点ビハインドの場面でファジーカスはコートに立った。久しぶりの実戦に試合勘が戻らず「リズムに乗れなかった」と言うように、第1クォーターの悪い流れをすぐに覆すことはできなかったが、それでも第2クォーターの頭も出場を続けて次第にフィットしていった。ファジーカスのシーズン初ゴールを機にチームは勢いに乗り、16-0のランで前半のうちに逆転に成功した。
「リバウンドを取ってチームが走れたし、流れを変えられた。プラスになれたと思う」とファジーカスは笑顔を見せた。
久しぶりの実戦に「練習試合のような感覚だった」
ファジーカスは16分間の出場で9得点12リバウンドを記録。第1クォーターでは、1-7とオフェンスリバウンドで大きく差を付けられたが、ファジーカスの起用で高さの不利をかき消した。それでもファジーカス自身「75%から80%の状態」と言うように、まだ本調子ではない。冷静な状況判断と駆け引きの巧みさが薄れ、2ブロックショットを浴び、2つのターンオーバーを犯した。
「個人練習がメインで、チーム練習に参加できていなかったから、皆とリズムを合わせるのが難しかった。いつボールをもらえばいいか、いつシュートを打てばいいか。今はまだつかみきれていない。一番の違いはリズムだね」とファジーカスは現状をこう説明した。
過去6シーズン、ファジーカスが先発から外れたのは1試合だけ。その1試合はケガや調子の問題ではなく、ユニフォームを忘れたのが理由だ。そのファジーカスが途中出場でリズムがつかめなかったのは当然のことだろう。実戦から長く遠ざかっていたのだから、なおさらだ。
「プレシーズンも出てないし、いきなりレベルの高い試合に出たからリズムがつかめなかったよ。自分にとっては練習試合のような感覚だった」とファジーカスも言う。
それでもファジーカスはバーノン・マクリン、シェーン・エドワーズが加入した現在のチームに自信を見せる。「そこまで点数は取れていないけど、攻撃力は増したし、ディフェンスは今後さらに良くなる。千葉戦も逆転したし、今日も逆転できた。精神的にタフである証拠だよ」
21点差を覆した千葉戦に続き、昨日の試合でも最大17点のビハインドを川崎は跳ね返した。「コンディションはこれから良くなる」と言うファジーカスがベストな状態に戻った時、川崎の本当の強さを我々は知ることになる。
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