「誰かの心に火を灯し、勇気や感動を与えることができるクラブでありたい」
2011年3月11日に、東日本大震災が発生した。あれから11年経った2022年3月11日、仙台89ERSはホームタウンである仙台市の中でも津波被害の大きかった若林区の荒浜地区を訪れ、14時46分に黙祷を捧げた。
荒浜地区は今も人が住むことができず、防風林や防砂林だけが植えられている。荒浜へ向かう前には、震災を経験した志村雄彦社長が当時のことやナイナーズがこの街に存在する意義や役割を、あらためて選手たちに伝えたという。
東日本大震災で校舎の2階まで津波が押し寄せ、大きな被害を受けた仙台市立荒浜小学校を、ナイナーズ一同は訪ねた。児童や教職員、住民320人が避難したその校舎を震災遺構として公開し、東日本大震災の教訓と地域の記憶を後世に伝えている。選手の中には震災を経験していない者もいた。それでも、荒浜小学校を訪れ、実際に自分の目で感じたことで、『このまちのために闘う』という気持ちを再確認した。
黙祷を終えた後は、住むことができなくなったこのエリアにいつでも住民の皆さんが帰って来られるようにと、震災の翌年以降、毎年開催されている風船リリースイベント『HOPE FOR project』に参加した。
仙台89ERSは震災を経験したクラブとして『助け合い、チームワークのスピリッツをバスケットボールで表現し、日本中、そして世界に発信する』ことをクラブ理念の一つに挙げている。
「このまちにあるスポーツチームとして、バスケットボールを通じて誰かの心に火を灯し、勇気や感動を与えることができる、そんなクラブでありたいと思っています」と、ナイナーズはコメントしている。