セカンドユニットがしっかりプレーを引き継ぎ、勝利を手繰り寄せる
宇都宮ブレックスが、ホームで横浜ビー・コルセアーズと対戦。後半の立ち上がりに大きく突き放すと、最後まで持ち味である激しいディフェンスを保ち83-59と快勝し、連勝を5に伸ばした。
試合は互角の立ち上がりとなるが、宇都宮は喜多川修平のブロック、チェイス・フィーラーのスティールにブロックなど、セカンドユニットが守備の強度を上げる。堅守からリズムをつかみテンポの良いオフェンスへと繋ぎ、第1クォーターで25-16と先行する。
第2クォーターに入ると横浜が反撃を開始。プレスディフェンスを仕掛けることで、宇都宮のターンオーバーを誘発するなど守備をきっかけに流れを変える。また、大庭岳輝の3ポイントシュート2本成功など、今度は横浜のベンチメンバーの奮闘が光り、前半は宇都宮の1点リードと互角で終える。
だが、第3クォーターに入ると、宇都宮は出だしから縦へのアタックを増やして、守備のズレを作り出し得点を量産した。このクォーターでは、フィールドゴール15本中9本成功で、8アシストと見事なチームオフェンスを展開し、比江島慎、アイザック・フォトゥ、ジョシュ・スコットの3人で計26得点を挙げた。逆にディフェンスでは横浜のビッグマンによるインサイドアタックや河村勇輝によるドライブを阻止し、ゴール下の攻防で優位に立つことで、リードを14点にまで一気に広げる。第4クォーターに入っても、宇都宮はベンチメンバーがしっかり繋ぐことで横浜に付け入る隙を与えず。そのまま楽々と逃げ切って同一カード連勝を達成した。
「後半はすべての面で改善できました」と語る宇都宮の安齋竜三ヘッドコーチは、次のように試合を総括する。「前半はオフェンスで、プレスブレイクからの展開でインサイドにボールが入らずに単調になり、そこから流れが悪くなってしまいました。ただ、ディフェンスはある程度、我慢をしながら3ポイントシュートを昨日よりも抑えることができていました」
「後半はしっかりインサイドにボールを入れながら、良いスペーシングでピックを使うなどボールを散らせていたので展開的にも良かったと思います。2試合を通してしっかり(水曜ゲームで勝利した)SR渋谷戦の流れを引き継いでブレックスらしいバスケットができました」
「プレータイムを全員でシェアして勝ちたい。それが僕のスタイル」
代表ブレーク明けとなる3月からの3試合、宇都宮はこれで失点が64、73、59と持ち味の堅守を続けている。それを可能にしているのは、セカンドユニットになってもディフェンスの連携、強度をキープできているからだ。
指揮官は彼らの奮闘ぶりをこう評価する。「今日はかなり良い状態でディフェンス、オフェンスもできていました。特に(テーブス)海、荒谷(裕秀)は若いのでもっとディフェンスでプレッシャーをかけ、シュートを決めた後にオールコートでつくことをやってほしいとこのブレイク中に話しをしていました。この2試合、それをしっかりやってくれていました」
次の試合、宇都宮は敵地に乗り込んで東地区首位の千葉ジェッツと対戦する。現在東地区4位の宇都宮が順位を上げるためには、勝利が不可欠な相手となる。上位との対戦では、どうしても中心メンバーにプレータイムが偏ってしまいがちだが、強度を維持するにはできるだけ多くの選手を起用するのが理想でもある。
「上位陣とやった時も今日みたいなバスケットボールができれば、プレータイムを分散できます。でも勝たなければいけないので、試合によっていろいろと変えていく感じだと思います」
指揮官はこう語るが、同時に「プレータイムを全員でシェアして勝ちたい。それが僕のスタイルですが、理想の部分とマッチしない時はあります。ただ、チャンスは全員にしっかり与えます」と続ける。
千葉戦、テーブス、荒谷と調子を上げてきている若手たちが、安齋ヘッドコーチが長く使いたいと感じるプレーを見せることができれば中心選手の負担を減らせる。それは宇都宮の勝つチャンスが増えることを意味している。どんな相手にも総力戦で戦えるようになれるのか、千葉戦はセカンドユニットのプレーぶりにも大きく注目したい。