カイリー・アービング

写真=Getty Images

コンディションを把握するバロメーター

NBA選手には、それぞれ試合前に行なうルーティンワークがある。日々同じ動作を繰り返すことで、その日のコンディションの違いを自分の感覚で判断する材料にもなるため、選手にとってルーティンワークが持つ意味は大きい。ただ、トレーニングの頻度、強度と同様に、試合前のルーティンワークも、キャリアを送るうちに自然と変わっていく。セルティックスのカイリー・アービングも、変化が必要な時期を迎えつつあるようだ。

アービングは、NBAキャリアを通じてひざの負傷に悩まされており、昨シーズン終盤も左ひざの負傷で戦線を離脱し、セルティックスでの1年目は60試合の出場に終わった。今シーズンが8年目のアービングは、2014-15シーズンの75試合がキャリア最多で、他のシーズンも負傷により戦列を離れることが多かった。

オフに2度の手術を受けたアービングは、長かったリハビリを経て、9月28日のプレシーズンゲームに先発出場し、22分の出場で9得点4リバウンド3アシストを記録。試合後アービングは、試合前のルーティンについて「自分に一番合う方法を見つけることが大事だね」と語った。「自分のルーティンは、ここ8年くらい変えていなかった。でも、今の自分の身体に合う方法に変える時が来た」

これまでは、試合前に身体のケアを受けていた関係で、チームメートと一緒にコートで行なうアップには参加できずにいたが、その部分を変えたいとアービングは言う。

「誰にでも、それぞれのルーティンワークがある。僕の場合、今シーズンは試合前の準備方法を変えようと思っている。これまでより早く会場に着いて、治療やケアを早く受けて、これまでより早くコートに立って試合に向けた準備をしようと思っている」

「みんなと同じ時間に練習できるよ。シュート練習をして、それから身体が冷えてしまって、また温め直すようなアップはもう嫌なんだ。自分のキャリアにとって、この変化は大事だと思う。アップも含めて、試合に向けた準備に関してより良い方法に変えたい。僕は自分のアップに関してはこだわりが強いからね。これからはチームメートと一緒に身体を動かして、試合に向けた準備を整えたい」

これからはプレシーズンを通じて実戦のスピードに対応し、ケミストリーを高めていく段階に入る。アービングは、その他にルーティンで変えることがあるかを聞かれると、「プレーでもレベルアップできると良いんだけれどね」と笑った。