前回の地元開催は1997年「25年後にこの場所にいるのは驚くべきこと」
レブロン・ジェームズがクリーブランドに戻って来た。1997年以来となる地元開催のオールスターは、彼にとっても初めて経験する地元でのオールスターで、到着した時から練習、記者会見まで、常に笑顔で過ごしている。
「前回のオールスターの時は12歳だった。クリーブランドに来てそのエネルギーを感じ、『この選手たちとプレーしたい』と夢見ていたよ。僕が生まれ育ったアクロンから北に35分も行けばキャブズがあった。当時はMJ(マイケル・ジョーダン)とブルズも大好きだったけど、キャブズやブラウンズ(NFL)、インディアンズ(MLS)から刺激をもらっていた。あれから25年後、大好きなバスケを続けて、かつて夢見たオールスターに出場するのは信じられないことだ。1997年のオールスターでは、ルーキーだったコービー・ブライアントがダンクコンテストで優勝した。今もこの目で見たのを覚えているよ。25年後にこの場所にいるのは驚くべきことだし、素晴らしいことだ」
「地元だから家族と友人と一緒にオールスターウィークエンドを過ごすことができる。高校時代の親友や、一緒にプレーした仲間たちと一緒なんだ。仲間たちとは9歳の時から一緒で、今も友情は変わらない。ほぼ毎日連絡を取っているよ。でも、僕ら全員が一緒に集まってオールスターを過ごすなんて初めてで、本当に特別なんだよ」
オールスターでの会見はレギュラーシーズンよりもリラックスした状態で行われ、いつも以上に言葉数も増えるもの。レブロンはキャブズ復帰について「ドアは閉じていない」と、いつもであれば使わないであろう表現を使った。
レブロンはNBAキャリアの序盤をキャブズで過ごし、ヒートへ移籍して優勝経験を積んだ後にキャブズに戻り、NBA初優勝を実現させた。ここ4シーズンはレイカーズでプレーしているが、その先に『3度目のキャブズ』があるのかもしれない。
「戻って来てプレーするとは言っていないよ。分からないんだ。自分の将来がどうなるかは、その時になってみないと分からない。フリーになるのがいつなのかも分からないしね」とレブロンは言うが、フリーになるのがいつかは明白だ。レイカーズとの契約は来シーズンまでで、来年の夏にはフリーエージェントになることができる。
長男のブロニーが最も早くドラフト指名を受けられるのは2024年。レブロンは息子と一緒にプレーしたいとの気持ちを隠そうとはしない。2024年とは定義しないが、彼は「現役最後のシーズンは息子と一緒にプレーすることになる」と言う。「それがどこであろうと、ブロニーのいる場所が僕のいる場所になる。1年間、息子と一緒にプレーするために必要なことをする。その時点でお金は問題じゃない」
レブロンは来年の夏には38歳になっているが、今もオールスターには名前でなく実力で選ばれており、大きなケガをしない限りはまだ長くトップレベルでのプレーを続けられそうだ。そのタイミングでベテラン最低保証額を受け入れてブロニーを指名したチームに行くとは思えない。トップレベルでのパフォーマンスを維持できている間は、レイカーズと新たな契約を結ぶにせよ、他のどこかになるにせよ、高額年俸を受け取るとともにそれに見合う責任を引き受け、優勝を目指してプレーするはずだ。
それがキャブズになる可能性もあるし、そこにブロニーがいる可能性もある。「戻って来てプレーするとは言っていない」との注釈付きではあっても、「ドアは閉じていない」というレブロンの言葉はキャブズの未来を明るく感じさせるに十分だ。ただ、ひとまず今はオールスターでの『王の帰還』を楽しみたい。