現状は未接種のホーム選手は試合に出場できないが、アウェー選手は出場可能
NBAコミッショナーのアダム・シルバーは現地2月16日に『ESPN』の番組に出演した際に、ニューヨーク市が定める新型コロナウイルスのワクチン接種ルールについて、素直な意見を語った。
ニューヨーク市では2021-22シーズンの開幕以来、屋内競技の試合に出場する際に新型コロナウイルスのワクチン接種を義務付けている。そのため、ワクチンを接種していないネッツのカイリー・アービングはホームゲームに出場することができない。しかし、この『ニューヨークのワクチン接種ルール』が適用されるのはホームチームの選手のみで、アウェー選手であればワクチンを接種していなくてもニューヨークで開催される試合に出場することができる。実際にキングスのジャスティン・ホリデーはワクチンを接種していないが、2月14日にネッツの本拠地、バークレイズ・センターで行われたネッツ戦に先発として出場した。
シルバーはこういったニューヨーク市のルールに対し、「ニューヨークのこの法律は、ホームプレーヤーのみ適用されるということが、私からしたら奇妙でしかない」と語った。「もし、そのルールがアリーナにいる人たちを守るためのものであるなら、未接種のアウェー選手がバークレイズ・センターでプレーできて、ホームの選手がプレーできないなんて全く納得がいかない」
「第一に、私はこのルールは不公平だと思っている。市外の選手に対しては『ワクチン接種をしなくても来て良い』と言っているようなものだ。なのに、ニューヨークの選手たちはワクチン接種をしなければならない。これは芸能人も同様だ。私はこのことを皆さんに知ってほしい。(市街の)芸能人ならワクチン未接種であっても、ここに来てパフォーマンスをすることができる。アンフェアだよ」
こう語ったシルバーだが、「ただ、私たちのメッセージが間違って受け取られないか心配だ。私たちは、このルールについて語っただけだ」と続け、「私個人の意見としては、引き続きワクチン接種、そしてブースター接種をうながしていきたい」とコメントしている。
ニューヨークは新型コロナウイルスの感染者や入院者数が減ってきたことから、現地2月10日から屋内でのマスクの着用義務をなくすことを明らかにするなど、規制緩和の動きが見られている。それだけに、今後の室内競技へのワクチンルールの動向にも注目したい。