八村塁

『レナードの一件』を想起させる負傷シーン

現地2月14日、ウィザーズがホームでピストンズと対戦した。

10-10の同点で迎えた第1クォーター残り6分半、八村塁に出番が訪れた。ベンチからチームに勢いを与えたい八村は最初から攻め気を見せ、最初のプルアップこそ外したものの、コーリー・ジョセフとのミスマッチを作り出し、ドライブからシュートファウルを誘発して、2本のフリースローで初得点を記録。ディフェンスでもマービン・バグリー三世にノーマークでペイントエリアに侵入された際には、ヘルプに飛び込んでファウルでイージーシュートの機会を潰す。バグリー三世はこのフリースローを2本とも失敗し、八村の機転が光る結果となった。

第2クォーターもそのまま出場した八村は、スミスのキックアウトからコーナースリーを沈めて先制点を奪った。しかし、着地の瞬間にバグリー三世の右足に乗ってしまい、苦痛に顔をゆがめながらコート外に飛び出した。例え故意ではなくとも、NBAはこうしたシューターが着地するスペースに足を踏み入れる行為を危険視しており、バグリー三世にはフレグラントファウル1が宣告された。

足を引きずりながらもコートに戻った八村だったが、このファウルで得たフリースローの1投目を外してしまう。その後もプレーを続けた八村は3ポイントシュートを放ち、ドライブを試みるなど積極性を失わなかったが、クローズアウトシチュエーションで簡単にシュートブロックに飛んでしまうなど、ケガの影響が少なからず見え、残り9分を切った場面でベンチに下がった。そして、チームは右足首の捻挫のため、八村を後半に欠場させることを決めた。

試合はカイル・クーズマの第3クォーターだけで17得点を挙げる活躍でリードを広げたウィザーズが103-94で逃げ切った。それでも、八村が負傷したシーンは、ザザ・パチューリアの足に乗って長期欠場を余儀なくされたカワイ・レナードを思い出させるもので、後味の悪い試合となった。軽傷で済むことを願いたい。