ジョエル・エンビード

シモンズについて「彼は勝つことが最大の目標じゃなかった」

セブンティシクサーズは現地2月11日のサンダー戦に100-87で勝利した。ジョエル・エンビードの25得点19リバウンド5ブロックの活躍が勝敗を分けたことは言うまでもない。

ここまでのシクサーズは『ベン・シモンズ問題』に悩まされ続けた。シモンズは2016年にドラフト全体1位でシクサーズに指名された逸材で、211cmの長身ながらハンドリングに優れ、現代のNBAのトレンドに見合う存在として高い評価を受けてきた。しかし、昨シーズンの東カンファレンスセミファイナルで深刻なシュートスランプに陥り、自らが打つべき状況でパスをし、ハック戦術の的となってチームが敗退する大きな理由となった。ドック・リバースヘッドコーチの心ない言葉に傷ついたシモンズはシクサーズでプレーすることを拒み、多大な罰金を払いながらその時を待っていた。そして、2月10日のトレードデッドラインにシクサーズはネッツと大きなトレードを成功させた。シクサーズはセス・カリー、アンドレ・ドラモンド、2022年1巡目指名権、2027年1巡目指名権と交換でジェームズ・ハーデンとポール・ミルサップを獲得した。

エンビードは常々、シモンズがもたらすチームへの貢献度を訴え、彼の残留を求めていたが、結果的にシモンズは他チームへ移籍することとなった。シモンズをプレーさせずとも白星を重ね、群雄割拠の東カンファレンスで5位のポジションをキープしているシクサーズにとっては、元シーズンMVPであるハーデンの加入はチームにとって大きな戦力アップとなる。エンビードもハーデンの加入を歓迎している。「これまで一緒にプレーしてきた選手たちのことを振り返っても、これまでに彼がキャリアで成し遂げてきたことを考えたら彼が一番の選手になるだろうね」

シモンズについては「結局のところ、彼が一番求めるのは自分のチームを作り、スターであることだった。勝つことが最大の目標じゃなかったのは僕たちにとって不運だった」と語る。エンビードはNBA優勝のためならどんな犠牲も厭わないつもりでいる。それはハーデンも同じだ。年齢を考えると、残されたチャンスは決して多くない。だからこそ、ハーデンはトレードを要求してシクサーズにやって来た。

そして、エンビードは『シモンズ問題』について回答することがなくなったことを喜ぶとともに、さらに良くなるであろうチーム状況についてこのように語った。「あの話題について、これ以上質問に答える必要がないのはうれしい。僕にダブルチームに来るのか、それとも彼にダブルチームに行くのか選ばなければならない。僕は彼のような選手と一緒にプレーしたことがない。だから、この新たなチャレンジに興奮しているし、やり遂げようと思っているんだ」