女子日本代表

後半から徐々に持ち味を発揮し、延長戦を圧倒

2月10日、女子ワールドカップ予選が開幕し、日本はカナダとの初戦を迎えた。日本の先発は宮崎早織、林咲希、赤穂ひまわり、馬瓜ステファニー、渡嘉敷来夢の5人。宮崎のフローターで先制すると、さらに宮崎のコースト・トゥ・コースト、渡嘉敷のゴール下が決まり、6-0と最高のスタートを切った。しかし、カナダのパワフルなアタックを止められず、速攻でのパスミス、相手のブロックショットに阻まれるなど、そこから0-8のランで逆転を許した。

それでも次々とメンバーを替える日本は山本麻衣が3ポイントシュートを射抜き、三好南穂もステップバックのミドルシュートを沈めるなど、ベンチメンバーの活躍で巻き返した。速攻を狙った攻めのパスがカットされ、ゴール下を決め切れないなど、ミスが目立った日本が15-17で第1クォーターを終えた。

日本は身体を寄せてタフショットを打たせても、ゴールをねじ込んでくるカナダのインサイド陣のアタックを止められず、中を警戒した瞬間に3ポイントシュートを決められてしまう。そして、3ポイントシュートに当たりが来ず流れに乗れない日本は、第2クォーター開始4分半で2桁のビハインドを背負ってしまう。その後も速攻を繰り出せず、高さが気になってドライブのフィニッシュが決まらずに得点が伸び悩んだ日本は23-40で前半を終えた。

開始1分半、パスカットから渡嘉敷の速攻に繋げて流れに乗りかけたが、前半同様にインサイド陣のパワフルなアタックを止められない。開始約3分でチームファウルが5に到達してしまうなど、なかなか点差を詰められない。それでも、ペイント以外の失点は最小限に抑えるなどディフェンスで踏ん張った日本は、1on1から得点が取れるようになり、ステファニーが3ポイントシュートを沈めるなど終盤に盛り返し、8点差まで詰め寄って第3クォーターを終えた。

その後も拮抗した展開が続いたが、残り6分11秒から試合が動く。ヒジがステファニーの顔に入ったプレーがアンスポーツマンライクファウルとなり、カナダのチームファウルが4に到達。ステファニーが2本のフリースローを決めて5点差に詰めよると、残り4分には三好の3ポイントシュートが決まり2点差に。

これまではインサイドでの失点が目立ったが、身体を張り続けた効果がこの終盤に現れ、カナダのペイントでのシュートがようやく落ち始める。こうしてディフェンスから流れをつかんだ日本はステファニーの1on1で同点に追いつくと、赤穂のミドルシュートでついに逆転した。ここから一進一退の攻防が続いたが、2点ビハインドで迎えた残り37秒に渡嘉敷との連携から赤穂がバックシュートを決めて73-73の同点に。その後は互いに決定打に欠き、試合は延長戦に突入した。

20点のビハインドを覆し、延長戦に持ち込んだ時点で日本の優勢は明らかだった。ディフェンスのインテンシティは下がらず、最後までシュートチェックに飛び、何度もギリギリのところで失点を防いだ。ディフェンスが機能したことでオフェンスも活性化した日本は赤穂のドライブ、山本のドライブから渡嘉敷の合わせが決まる。残り2分にはステファニーが連続でオフェンスリバウンドをもぎ取り、3度目のチャンスで三好が3ポイントシュートを成功させるビッグプレーも飛び出した。こうして11-0のランで一気に突き離した日本が最終スコア86-79で逆転勝利を飾った。