ポイントガードでテストされ高い万能性を示す
アメリカの大学バスケットボール人気がプロスポーツ並に高いのはご存知のとおり。ただ、プロリーグの頂点に位置するNBAと実力の開きが大きいのも事実だ。大学バスケのスター選手が毎年数多くNBAに挑戦するも、その大半が花を咲かすことができないままにコートを去る。
レイカーズ新人のブランドン・イングラムは、コービー・ブライアントが引退後チームが初めてドラフトで指名した選手ということもあってか、『コービーの後継者』と形容されることが多い。
デューク大の1年時に平均17.3得点という数字を引っ下げてNBAへとやって来たイングラムだが、プレシーズンゲームが始まった当初は得点が2桁に乗らず、適応に手間取っている印象を与えていた。しかし、10月15日のウォリアーズ戦で初の2桁得点(12)を記録すると、続く19日のウォリアーズ戦ではフィールドゴール10本中7本成功を含む21得点7リバウンド4アシスト2スティールを記録し、オールラウンドプレーヤーとしての才能を披露した。
指揮官のルーク・ウォルトンは、同試合でイングラムを4つの異なるポジションで起用。第2クォーターにはポイントガードでプレーさせたが、1回もターンオーバーを記録せず、プレーメーク役を十二分にこなしてみせた。試合はウォリアーズに地力の差を見せつけられ112-123で敗れたものの、ウォルトンはイングラムの適応能力に舌を巻き、試合後の囲み取材で次のように語っている。
「彼をポイントガードで起用したのは、プレーに参加させるため。ここ数日の練習でもポイントガードで起用して上手くやっていた。彼はスタッツが示すより良いシューター、良いパサー、良いディフェンダー……とにかくオールラウンドに優れた選手だ」
「ブランドンは、大学1年を終えてNBAに挑戦しているどの若い選手よりも前を歩いている。想像以上に速いスピードでNBAの試合に必要なことを学習している」
間もなく迎える開幕ではベンチスタートが濃厚だが、その高いポテンシャルは次第にベールを脱ぎつつある。現在のNBAで成長のペースが最も早い選手と言っても過言ではないイングラムに注目だ。