「求められていることをコートで表現できればメンバーに入れていただける」
バスケットボール女子日本代表は2月10日から行われる女子ワールドカップ予選に向けて、選手選考を兼ねた強化合宿を行なっている。
ワールドカップ予選に出場できるのは12名だが、現在、代表候補選手は東京オリンピックメンバーとアジアカップメンバー、そして久しぶりに代表復帰を果たした選手など総勢19名となっている。
谷村里佳にとって代表合宿は東京オリンピックに向けて行われた昨年6月末の第6次強化合宿以来だ。谷村が日本代表デビューを果たしたのは2019年。当時26歳にして代表デビューと少々遅咲きではあったが、3ポイントシュートも打てる『ストレッチ4』として結果を残し、その年のアジアカップにはメンバー入りしていたが、ケガの影響で急遽ロスターから外れることになった。それでも、その後の東京オリンピックに向けた選手選考を勝ち進み第6次強化合宿まで残ったが、オリンピックメンバーの16名から12名に絞られる最後の段階で先行から外れた。
谷村は東京オリンピックを見て「途中まで一緒にやってきたメンバーだったので、あのコールだとか、あのプレーだとか今までやってきたことが世界に通用していたので、やっぱりみんなすごいなっていうのがありました」と仲間の活躍を称えた一方で、「代表候補から落選してオリンピックを見ていて、私に足りないものはたくさんあると感じた」とも語った。
「私に足りないもの」の一つが3ポイントシュートだと谷村は言う。もともと彼女は3ポイントシュートが打てるビッグマンだったが、世界と戦う上ではより速くシュートを打つ必要があると感じ、「今まではワンツーステップでしたが、ジャンプストップに変えました」と明かす。それにより、「今まではボールをもらった瞬間に厳しいかなと思った場面でも、ジャンプストップに変えたことで打てるようになった」と自身でも変化を感じているという。
チームケミストリーを築く合宿ではあるが、先にも触れたように熾烈なメンバー争いの場でもある。谷村は言う。「求められていることを一生懸命頑張る。それをコートで表現できればメンバーに入れていただける。前回は落ちてしまったけど、それは自分に何かが足りなかっただけです」
恩塚亨ヘッドコーチのバスケットは谷村にとって今回が初めてだ。そのため「今はこのバスケットを理解して、徐々にコートでやれるようにしている段階です」と言うように、どれだけ恩塚コーチが求めるバスケットを身体に落とし込み、披露できるか。谷村の今後に注目だ。