失意のタウンズ「心が痛む。どうしたらいいのか分からない」
ティンバーウルブズは足首のケガで2試合を欠場していたディアンジェロ・ラッセルが復帰し、ベストメンバーが揃った。中2日の休養を挟んだことで選手たちのコンディションも良く、グリズリーズ戦には必勝を期して臨んだ。
実際、選手たちの足はよく動いた。第3クォーター残り3分から第4クォーター最初の1分半で15-0のラン。ラッセルを中心にカール・アンソニー・タウンズ、アンソニー・エドワーズ、ナズ・リードとバランス良く得点を重ねて、接戦だったところから94-81とグリズリーズを突き放した。ただ、強いチームならきっちりゲームをクローズするところで詰めの甘さが出る。残り5分で14点のリードがあったが、ここから必要以上に意識が守りに入ってしまい攻めの形を作れず、シュートが全く入らない。一方のグリズリーズはエースのジャ・モラントが迷いのないプレーで次々と得点とアシストを記録し、逆転に成功した。
残り2.5秒、ファウルゲームで得たスローインをモラントが2本とも沈めて113-110。勝負は決したかに思われたが、タウンズがミラクルを起こす。残り1.1秒でコート中央のロゴに近い位置から放ったタフショットを決めて、土壇場で同点に追い付いたのだ。
この時点で31得点7アシストのモラントは、すべてを出し尽くして茫然の表情。一方で九死に一生を得たウルブズは新たな活力を見いだしたようだった。ところが、気持ちだけでは問題は解決しない。ウルブズはオーバータイム最初のポゼッションをタウンズの3秒バイオレーションであっさりと失い、逆にグリズリーズは人とボールが連動する動きからデズモンド・ベインの得点に繋ぐ。ウルブズはこのままオーバータイムで一度もリードを奪うことなく、125-118で敗れた。
単なる一敗よりも、勝てそうだった試合を落としての一敗の方がダメージは大きい。タウンズは「率直に言えば、心が痛む。すごくつらいよ。どうしたらいいのか分からない」と率直な気持ちを明かす。「やれることはやったけど、勝つためには十分じゃなかった。僕たちは自分たちの力を示そうとして、ハードに戦った。試合のほとんどではやれたんだけど、最後が上手くいかなかった」
これでウルブズは5連敗。タウンズが落ち込むのも無理はない。ヘッドコーチのクリス・フィンチは自分の言葉がタウンズに届き、気持ちを引き上げようとするかのようにこう語った。「これまでより良いプレーができた時間が長かった。この先は良いバスケができると思っている。ただ、自分たちが優位に立った試合をどう終わらせるか、そのことについては考え直す必要がある」