「心のどこかに『昨日は大差で勝った』というのがあったのかも」
アルバルク東京が横浜ビー・コルセアーズのホームに乗り込んだ第3節。第1戦は83-57と快勝したが、第2戦では終盤まで接戦となった末に72-65で勝利した。
第2戦で11得点7リバウンド2アシスト2スティール1ブロックを記録して勝利に貢献した竹内譲次は試合後に、「自分たちのミスやフィフティ・フィフティのボールを取られだしてから、横浜に流れがいってしまいました。最後まで相手の勢いを止めることができずに試合が進んだ印象です」と振り返った。
ヘッドコーチのルカ・パヴィチェヴィッチが「横浜は昨日の負けからしっかりと戻ってきた」と称賛したように、竹内も相手を称えつつ正直な思いを語る。「第1戦であれだけの大差をつけられた横浜さんが意地を見せたゲーム。もしかしたら僕たちは心のどこかに『昨日は大差で勝った』というのがあったのかもしれません」
しかし竹内が言うように、Bリーグになってから一度も負けていない相手に初戦で完勝すれば、そのような気持ちになってもおかしくない。ただ、第2戦では接戦となったことで、あらためて自分たちのやるべきことに気づけたとも竹内は言う。
「毎試合で自分たちのバスケットをコートで表現できるかと言えば、2日目は1日目よりも難しい。その中でフィフティ・フィフティのボールであったり、リバウンド、ルーズボール、あとは僕たちの強みであるディフェンスの部分は、やっぱり負けちゃいけないと思います。ただ、正直なところ、第2戦ではその部分でイニシアチブを取られてしまいました。泥臭くやれた部分もあるけど、今日はチームとしての成熟度が試合を分けたと思います」
竹内が言う『成熟度』とは、同じメンバーでルカヘッドコーチのバスケットを突き詰めてきた年月のことだ。彼が言うように横浜はヘッドコーチが合流したばかりで、ロスターも昨シーズンと比べて大幅に変更されている。
それでもチームの成熟度だけでなく、A東京は勝負どころをしっかりと抑えるベテランの働きも大きかったのではないか。横浜は若手がアグレッシブにプレーすることで勢いをつけたが、A東京は竹内や菊地祥平が得点だけでなく、横浜からファウルを誘ったり、球際でのハッスルプレーで、相手の勢い押し込まれることはあっても、最後まで自分たちのリズムを崩すことはなかった。
A東京はこれで5勝1敗。勝ち星だけを見れば好スタートを切っている。しかし、「僕たちは連覇していますし、アルバルクに対してどこのチームも『倒してやる』という気持ちで来ているなというのは正直感じます」と竹内が言うように、 前節の広島ドラゴンフライズ戦も中盤までは接戦になるなど、難しい試合が続いている。
次戦は東の強豪、宇都宮ブレックスとの対戦だ。この試合での課題となったフィフティ・フィフティのボールやリバウンドをどれだけモノにできるかが鍵となってくる。
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