文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

「プロでは一番だね」とキャリアハイの40得点

昨日に行われたアルバルク東京vs滋賀レイクスターズの第2戦は、終盤にインサイドの攻防で上回ったA東京が88-81で勝利した。

第1戦とは打って変わって接戦となったこの試合、終盤の9連続得点を含む40得点、さらには11リバウンドと圧巻の活躍を見せたのがアレックス・カークだ。「タフな試合でしたが勝てて良かったですし、自分にとっても楽しいゲームでした」と、カークは笑顔で試合を振り返る。

40得点という数字は驚異的だが、その大半は個人プレーではなく、ピック&ロールなどチームプレーから生まれている。「シュートタッチも良かったし、ガード陣にプレッシャーがかかっていた分、自分のところがオープンになった。僕をマークするビッグマンはガードにも出なきゃダメなので、僕が空くというズレをうまく使って、得点につなげられました。そして皆が良いパスをくれたから、それが点数につながってます」とチームメートの存在を強調した。

滋賀の指揮官、ショーン・デニスも「ミドルピック&ロールのシチュエーションでうまく対応できず、カーク選手に自由に得点を与えてしまった」とカークを名指しで敗因を語ったほど。

これまでの最高得点は、昨年の11月18日に行われたレバンガ北海道戦で記録した25得点。「もしかしたら大学ではもうちょっと取ったことがあったかもしれないけど、プロでは一番だね」とプロキャリアでの最多得点を大幅に更新した。

安定感の理由は「冷静でいることを意識」

A東京は現在リーグ全体で勝率1位をキープしている。試合をこなすごとに連携が磨かれ、完成度の高いバスケットを展開しており、チームの成熟度はリーグ随一だ。「新しい選手、ヘッドコーチがいて、新しいチームなので。今が何%というのはないけど、そういう意味ではこの結果がそれを表しているんじゃないかな」とチームの完成度に手応えを感じている。

そんなカークは現在のライバルチームに千葉ジェッツを挙げた。「アーリーカップでも対戦し、レギュラーシーズンですでに4試合を戦いました。スタイルも少し似てますし、ギャビン・エドワーズは良いアスリートだし、対戦する時は少し意識します」

ライバルがいることでモチベーションが上がりる選手は少なからずいるが、カークはそのタイプではないという。「自分の性格的になるべく冷静でいることを意識してますし、対戦相手によってプレーが変わったりもしません」

今回の40得点も、得点を量産していた相手の外国籍選手のプレーに触発されたのではなく、実直にチームプレーを遂行した結果。「個人的にやられたからやり返すプレーはしません。それをやってしまうとセルフィッシュで、チームのルールを無視することになるので」

得点を取るだけでなく、スクリーンをかけ、リバウンドで身体を張り、速攻で走る。簡単なようだがそれを高いレベルで、しかも継続的に遂行できる選手はそう多くない。献身的なプレーを嫌な顔一つせず遂行するカークがいるからこそ、A東京は上位に君臨し続ける。

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