八村塁

豪快なアリウープを叩き込むも、後が続かず

NBAウィザーズは敵地でマジックと対戦。終盤に猛烈な追い上げを見せるもあと一歩届かず、マジックに121-126で敗れた。

この試合で主役を演じたのはビッグマンのニコラ・ブーチェビッチで、試合序盤から高さとパワーでインサイドを制する。1対1では誰も止められず、八村もポストアップするブーチェビッチにあっさりと押し切られた。ダブルチームで対応すれば、ブーチェビッチは素早くパスをさばいてチャンスを演出。エバン・フォーニエ、マーケル・フルツ、DJ・オーガスティンとガード陣のアウトサイドシュートも好調で、マジックが先手を取った。

ウィザーズのオフェンスは、課題のブラッドリー・ビール依存から抜け出せず。スピードのある攻めで有利な状況を作りたいのだが、リバウンドが取れないことで良い攻めに繋げられない。八村はチームオフェンスに絡めず、前半は速攻でアイザイア・トーマスのパスを受けての2得点に終わった。

それでも後半の立ち上がり、八村の時間帯が訪れる。オフボールスクリーンでビールがフリーになった瞬間を見逃さずにパスを送り、キャッチ&シュートのチャンスをお膳立てしてアシストを記録。続くポゼッションではトロイ・ブラウンJr.とのピック&ロールからダイブ、豪快なアリウープを叩き込んだ。しかし、その後が続かない。チーム自体がボールを回せない状況で、八村にもチャンスが回らずリズムに乗れなかった。

トーマス・ブライアントがビールとのピック&ロールで抜け出して放ったシュートが外れたところに、逆サイドからタイミング良く詰めた八村が押し込むシーンもあったが、その後にあったビールからのパスを受けてブーチェビッチとの1対1の場面ではシュートを決められなかった。

10点前後のビハインドを背負いながら迎えた第4クォーター残り4分から、ウィザーズは猛追を開始する。集中を高めたビールが味方のサポートを上手く使いながら立て続けに3ポイントシュートを決め、残り1分で1点差に肉薄。ただ、ブーチェビッチにフリースロー2本を決められ116-119とされ、タイムアウトを使った直後、ドライブで切り込んだビールからの外へのパスがカットされ、そのまま速攻を許したフルツにバスケット・カウントを献上して万事休す。

この直前のタイムアウトの際、ベテランシューターのCJ・マイルズを起用するために八村はベンチへと下がっている。八村は28分の出場で6得点4リバウンド2アシスト。エースのビールに完璧なタイミングでのアシストを2つ送ったのは良かったが、その分だけ自分で攻め込む積極性は欠いていた。チームは3勝8敗と負けが先行する状況、八村にもステップアップが求められる。