
前オーナーとの確執「嘘つきとはビジネスをしない」
ティンバーウルブズは、ケビン・ガーネットの背番号『21』を来年2月28日のセルティックス戦で永久欠番にすると発表した。セルティックスが2022年3月にガーネットの『5』を永久欠番にしており、彼にとっては2球団目の栄誉となる。
「ミネソタは僕のホームだ。それは変わったことがない。すべてはここから始まった」とガーネットは声明の中でコメントしている。
ガーネットは1995年の1巡目5位指名でウルブズに加入。オールNBAとオールスターの常連となり、2004年にはシーズンMVPを受賞と、『ウルブズの顔』として強烈な存在感を発揮した。2007年にセルティックスへと移籍し、ネッツを経て2015年にウルブズに戻って来た。
39歳のガーネットはウルブズで現役ラストシーズンを過ごしたが、思い描いていた美しいラストシーンとはならなかった。恩師であり親友でもあったフリップ・ソーンダーズ球団社長は、ガーネットを呼び戻す際に「引退後はフロントに入れ。一緒にチームを運営していこう」という約束を交わしていたのだが、このシーズンの開幕前に急逝。当時のオーナー、グレン・テイラーは約束を反故にし、トム・シボドーを5年契約でヘッドコーチとして迎え入れ、ガーネットのフロント入りの道を閉ざした。
この一件がガーネットとウルブズとの関係を切り裂いた。「グレンと僕の間には、フリップが亡くなる前の約束があった。フリップが死んだ時、その約束も一緒に死んだ。だから僕は彼を許さない」。ガーネットは2016年の引退後、テイラーへの不信感を繰り返し語ってきた。
ウルブズ最大のスター選手であるガーネットに対し、球団側は何度も永久欠番を打診したが、彼は首を縦に振らなかった。「グレンがオーナーでいる限り、僕のユニフォームをあそこに掲げたくはない。嘘つきとはビジネスをしない」と語るガーネットは、本拠地ターゲット・センターに足を運ぶことすらなかった。
それでも昨年、アレックス・ロドリゲスとマーク・ロアによる新オーナー体制が発足したことで、流れが変わる。確執のあったテイラーが去ったことに加え、新オーナーはミネソタのファンの心をつかむ意味でも、彼らの永遠のヒーローであるガーネットを厚遇し、昨年12月にガーネットは『チームアンバサダー』の役職を受け入れていた。
それまでずっとウルブズに冷淡な態度を取っていたガーネットは「早く帰りたくて仕方ないよ。マークとアレックスと時間を過ごして、その違いを肌で感じているんだ」と心境を明かしている。
昨シーズンのレギュラーシーズンホーム最終戦、ターゲット・センターにガーネットが姿を現した。トリビュート映像が流れた後、ロドリゲスとロアとともに入場したガーネットはスタンディングオベーションで迎えられた。
ロアとロドリゲスは「彼がこのフランチャイズとファンにとって何を意味してきたか、そのすべてを称える最大限の敬意だ」との声明を出している。