
カワイ、35歳の決断「トロントでキャリアを終える」
現地6月30日、クリッパーズとラプターズとの間でカワイ・レナードのトレードが合意に至り、2019年のNBAファイナルMVPがトロントに復帰する。
ラプターズが送り出すのはブランドン・イングラムとグレイディ・ディック、2031年と2033年の1巡目指名権、2027年の指名交換権、2巡目指名権2つ。カワイはエージェントを通じて「ラプターズとだけ延長契約を結ぶ」という意向を他チームに伝えており、これにラプターズが応えた形だ。
今回のトレードには裏の一面もある。クリッパーズのオーナーが出資していた事業会社『アスピレーション』が、実体のないスポンサー活動に対してカワイに2800万ドル(約42億円)の報酬を支払っており、これがサラリーキャップ逃れと疑われている。リーグから依頼を受けた第三者機関の調査が長引く中、クリッパーズはこの不透明な状況下でカワイとの契約延長交渉を進められないという事情があった。
カワイはケガに悩まされるキャリアを過ごしてきた。2018年にスパーズを離れたのもケガの処置を巡ってクラブと対立したのがきっかけで、フリーエージェントを前に1年だけ過ごしたラプターズにNBA優勝という置き土産を残し、2019年オフにクリッパーズに加入。7年間の『カワイ・レナード時代』で最も優勝に近付いたのは、カンファレンスファイナルに進出した2020-21シーズンだったが、この時はカワイが右膝前十字靭帯の部分断裂という重傷を負ってカンファレンスファイナル直前に戦線離脱。カワイ抜きのチームはサンズに敗れた。
それでも今シーズンのカワイは65試合に出場し、キャリアハイの27.9得点を記録した。チームはシーズン途中に若手への切り替えを行い、プレーオフ進出を逃したが、オールスターに3度選ばれ、クリッパーズ在籍中だけでオールNBAを4度受賞した彼がこの年齢でケガの連鎖から抜け出せたことは非常にポジティブだ。
カワイは3年1億4950万ドル(約220億円)の3年契約の最終年を迎えようとしている。今オフにカワイはラプターズと新契約を結び、ここでキャリアを終えるつもりだという。
ラプターズは『カワイ以後』の7年間で、プレーオフシリーズで1勝しか挙げられていない。今シーズンは46勝36敗、東カンファレンス5位と健闘したものの、キャバリアーズと対戦したプレーオフのファーストラウンドでは経験不足から『GAME7』を落として敗退している。ダーコ・ラジャコビッチ体制で着実に力を伸ばしてきたとはいえ、東カンファレンスのトップチームになるには決め手を欠く状況だった。
前回のトロント滞在は1年に終わったが、今回は契約延長とともに腰を据えることになる。様々な困難に見舞われてきたカワイが、かつて優勝を勝ち取ったラプターズで再び中心選手となり、キャリア終盤に再び偉業を成し遂げられるかに、注目が集まる。