「日本人になれたら、バスケ選手として代表に入りたい」
バスケットボール日本代表の第2次強化合宿で、新たに招集されたのが秋田ノーザンハピネッツに所属するニカ・ウィリアムスだ。2011年、当時bjリーグの高松ファイブアローズ(現B2香川)で日本でのキャリアをスタートさせたウィリアムスは、その後、群馬クレインサンダーズ、埼玉ブロンコス、広島ドラゴンフライズ、愛媛オレンジバイキングスと国内のクラブを渡り歩き、2013−14シーズンを除いて日本でのプレーを続けてきた。この4月に帰化申請が受理されたことで今回、代表合宿に参加する運びとなった。
念願の日本国籍を取得した気持ちを、ウィリアムスは感慨深げに語る。「チームを移籍して居住地が変わると、申請の手続きがリセットになる。それで帰化にはとても時間がかかったんだけど、それでも一生懸命に取り組んだよ。日本語も上達して、4月にようやく受理された時はとてもハッピーだった」
最初に帰化を意識したのは、広島に加入した2015年秋のことだった。「埼玉から広島に移籍する時、帰化をしようと決めた。僕は日本が本当に好きで、この国で人生を送りたい、日本人になりたいと思った。この4月に申請が受理されなくても、許可が出るまで手続きは続けるつもりだった。どれだけ長い期間がかかったとしても、僕の日本を愛する気持ち、日本で暮らしたい思いは変わらないからね」
『日本人』として日本代表の合宿メンバーに選ばれたことには、「知らせを聞いた時はニューヨークにいたんだけど、『イエス! チャンスを得た』という気持ちで興奮したよ」と、高まりを隠しきれなかったようだ。「特に愛媛にいた時(2017—18シーズン)から、代表参加は目標の一つだった。日本人になれたら、バスケ選手として代表に入りたいものだからね」と、以前から代表入りは意識していた。
「アスレチック能力、熱い気持ちの部分で影響を与えたい」
代表チームにおいて帰化選手は1名しか登録できない。今は帰化枠にニック・ファジーカスという絶対的な存在がいる。それでもFIBAが取り入れたホーム&アウェーのWindow制では、Bリーグのシーズン中に国際試合が行われる。常にファジーカスを招集できる保証はない。他のポジションと同様に、帰化枠の層を厚くすることは日本代表において不可欠な要素だ。
その状況について、ウィリアムスはこう受け止めている。「ニックはリーグを代表する素晴らしい選手だし、尊敬している。ただ、自分もベストを尽くすだけだよ。今は、どの大会に出たいとか特に意識することはない。現役生活を続けている間、代表が僕を必要としてくれている限りは、活動に参加したい。代表へのドアは開かれている。アスレチック能力、熱い気持ちの部分でチームにポシティブな影響を与えていきたいんだ」
また、秋田で迎える新シーズンについては「昨シーズンの辛い時期、チームとファンが僕をサポートしてくれたことを本当に感謝している。帰化選手としてチームを牽引し、自分を使うことでアドバンテージになるように頑張りたい。僕が成功を収めることができれば、それはチームの成功に繋がると思っている」と闘志を燃やしている。
かねてから切望していた『日本人としてのキャリア』がいよいよスタートするウィリアムス。本人が意気込むように、彼が帰化選手としてアドバンテージをもたらす活躍ができれば、秋田はもちろん、日本代表にとっても大きなプラス材料となる。
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