
会見で語った覚悟と展望
レイカーズの新戦力として注目を集めるマーカス・スマートが、現地時間7月23日に行われた入団会見で強い覚悟を示した。
スマートは今オフにウィザーズとの契約をバイアウトし、ウェーバー期間明けにレイカーズと2年1100万ドル(約17億円)の契約を締結。レイカーズはガードのシェイク・ミルトンとジョーダン・グッドウィンを放出するなどし、スマートとベテラン最低額以上での契約を実現した。
スマートはレイカーズ入りを決めた理由の一つとして、ルカ・ドンチッチからの熱烈な勧誘があったことを明かした。「ルカが僕に電話をくれて、『一緒に特別なことを始めよう』って誘ってくれた。『君の力が必要だ』と言われて、胸が熱くなったんだ」
2022年の最優秀守備選手(DPOY)であり、オールディフェンシブ1stチームに3度も選ばれているスマートは、ドリアン・フィニー・スミスの退団で手薄になった守備陣の底上げを期待されている。また、通算108試合のプレーオフ出場歴を持つ彼の経験値は、ドンチッチや指揮官J.J.レディック、そして大黒柱レブロン・ジェームズを支えるうえでも大きな意味を持つだろう。
スマートは自身の役割について「自分らしくあること。それが一番。ハードな守備、情熱、リーダーシップ、そしてバスケIQを持ち込む。『厄介な存在』として、いつものように戦うだけだ」と力強く語った。
レイカーズはスマートの他に、2018年のドラフト全体1位指名センターのディアンドレ・エイトンと格安で契約し、『3&D』プレーヤーとして急成長を見せているジェイク・ラレイビアも獲得。ドラフト2巡目指名のアドゥ・ティエロも加わり、混戦の西カンファレンスで第3シードを獲得した昨シーズンよりも戦力に厚みが増している。スマートも「このチームは西の強豪と渡り合える力を持っている。正しく努力すれば、本当に大きなチャンスがあると思う。僕たちに天井はない」と自信をにじませた。
一方で、スマート個人にとって直近の2シーズンはケガに悩まされた苦い時期だった。グリズリーズとウィザーズに在籍した2シーズンはわずか54試合の出場に終わり、「この2年は正直、失望していた」と振り返る。それでも、「すべては意味があること。12年前のドラフト前、レイカーズとも接点があったけど、その時は縁がなかった。こうして再び巡り合えたことに意味があると思っている」と語り、前だけを見ている。
粘り強く、どこまでも相手に食らいつくスマートのスタイルは、まさに今のレイカーズが求めるピースだろう。ドンチッチとレブロンという2人のスター選手の間に立ち、守備のエンジンとしてチームに火をつける存在となれるか。スマートの再出発に注目が集まる。