「エネルギーが最初から最後まで良かったです」
7月6日、バスケットボール男子日本代表は、『日本生命カップ2025』の2日目で前日に続いてオランダ代表と対戦した。前日は70-78で敗れたが、今日は試合を通して強度の高いディフェンスを継続し、序盤から主導権を握って74-53で快勝した。
トム・ホーバスヘッドコーチは「昨日も出だしは良かったですが、続きませんでした。今日は11点リードのところから20点差に広げてハーフタイムを迎えました。これは若い選手のおかげで、勝利の鍵となりました。大きな一歩です」と試合を総括した。
昨日の試合、日本代表はオランダの前から激しく仕掛けるディフェンスにリズムを崩された。しかし、今日は逆に自分たちが守備でプレッシャーをかけて流れを引き寄せたと、指揮官は手応えを語る。「今日はエネルギーが最初から最後まで良かったです。昨日は相手のディフェンスプレッシャーに負けましたが、今日は逆になりました。自分たちが守備でプレッシャーをかけてオランダを疲れさせました」
日本代表は8月に行われる『FIBAアジアカップ2025』のメンバー選考の最中で、この2試合で16選手がプレーした。代表経験の少ない若手が多く、トライアウトの側面も大きい中、存在感を発揮した一人が川島悠翔だ。
川島は身長200cmとサイズで圧倒できるわけではなくても、抜群の跳躍力とコンタクトの強さを生かしたリバウンド力を披露。昨日の試合では19分47秒のプレータイムで3得点13リバウンド、今日も16分27秒の出場で5得点6リバウンドを記録した。
ホーバスは、「川島は昨日すごい試合をしました。この2試合、彼が出たときは安心できました。相手のシュートフェイクに跳んでしまうなどミスもありますけど、リバウンドはすごいです。身体も強くてディフェンスも良いです」と大きな信頼を寄せる。
16得点の中村太地に「シューティングタッチがすごい」
4番、5番ポジションの底上げが大きな課題となっている中、指揮官は代表のスタイルであるスモールボールに合ったビッグマンとして川島の適性を見いだしている。「川島は200cmで3番が一番良いポジションですが、3番としての技術がまだちょっと足りません。しかし、パワーがあるのでドレイモンド・グリーンのような感じでプレーできます。大きいセンターではありませんが、ゴール下でディフェンスができますし、リバウンドを取れる。オフェンスではパス、ドライブができます」
川島以外にも、ホーバスは「この2試合で若手に経験をさせることで、私も選手たちも勉強になりました」と、選手たちへの理解を深めることができたと語る。
様々な収穫と課題を得た2日間でのサプライズは、ホーバス体制では初の代表戦で3ポイントシュート4本成功の16得点を挙げた中村太地の名前が挙がった。
「太地は自分の役割を練習中はできていなかったです。私のイメージは須田侑太郎選手みたいな感じで動いて、シュートを打つものです。でも彼はドリブルしたい、キャッチからシュートを打つ時にいつもドリブルをしていて、何回も注意しました」
「注意した後、2つのパターンがあります。ダメになるか、見返してやろうと思うかですが、今日の彼は見返すパターンで良かったです。彼のシューティングタッチはすごいです。Bリーグのチームと代表では役割が違うことに気づいてくれたと思います」
また、ホーバスは今日、終盤の連続ブロックで会場を沸かせた206cmのビッグマン狩野富成についても「あとは狩野のフリースローです。彼は上手くなりたい気持ちがとてもあります。すごく綺麗になっています。彼は上手くなりたい気持ちがとてもあります」と称賛している。
これから日本代表は11日と13日にアウェーで韓国代表と戦い、帰国して19日と20日にはデンマーク代表戦と強化試合が続く。今日のように新戦力のステップアップが続くことで、ホーバスが12名の選考に悩む展開になることを期待したい。